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商社:吉澤 顕/双日欧州会社

2019年業界見通し(商社)                                                                                     

 






新年明けましておめでとうございます。
年の初めにあたり、在仏商工会議所会員各社の益々のご繁栄と、会員各位およびそのご家族のご健勝をお祈り申し上げます。

30年続いた平成が幕を閉じ、新たな元号を迎える今年、世界の政治・経済・ビジネス環境はひと時も同じ場所にとどまらない、めまぐるしい動きを見せています。

昨年末までの欧州経済は比較的堅調で、量的緩和の終了後、今年後半には利上げも予想されますが、政治の不安定要素が多く、BREXIT、欧州経済を長年けん引したドイツのメルケル政権の弱体化、イタリア、北欧、中・東欧のポピュリズム台頭などの懸念が燻ぶっています。

フランスでは、マクロン大統領は一昨年の就任後一貫して経済政策を優先。企業寄り労働法改正断行に続き、国家の競争力増強のため減税実施、他方、財政赤字を減らすための歳出カットでEU財政規律を遵守する構えで、これを格差社会助長政権と見た国民の同政権への支持率は低迷、特に昨年11月中旬以降毎週Gilets Jaunesの大規模デモから派生した暴動に屈した様子で、同政権の改革が頓挫すれば、フランスのみならずEUの政治・経済へのマイナス効果が懸念されます。米国の時代錯誤的な保護主義政策が同国経済を弱体化させることが自明になりつつある現在、欧州の経済が躓くと、世界の経済の潮目が変わる予感がします。

世界経済の素人予想はさておき、フランスが重視する将来の経済成長は、イノベーション、デジタル、気候変動対策、持続可能社会に向けた投資によるものとされ、商社もこれらの戦略を注視して行くと思います。

日本と欧州間では、政治、経済両面での提携強化が進み、日本EU戦略的パートナーシップ協定、および日本EU経済連携協定の発効をもって、日欧間で、相互に強みを持つビジネスが推進されるでしょう。また、来年の東京オリンピックを控え、テロ・サイバー対策などもビジネスの対象となる一方、日本が誇る質の高い「衣食住」を世界中の方々に一層発信する機会となり、日欧間のヒト、モノ、カネ、サービスの動きが加速すると予想します。さらに、欧州と歴史的に関係が深いアフリカとのビジネスについても、日欧の協力・提携がますます重要なテーマになろうと思います。

欧州のエネルギー政策は、環境問題対応、ロシアのガスからの自立をテーマに動き、フランスにおいては政策的な自動車産業の電気自動車への誘導や、原子力発電の再構築が課題です。原子燃料サイクル関連ビジネスは過去40年以上、日仏間貿易の大きな柱でした。現在、自国内で原子炉58基を運転し、国内外で新型原子炉を建設中のフランスは、昨年末に発表した「数年次エネルギー計画」において、2035年をめどに電力供給における原発依存度を現在の75%から50%に低減することを明示しました。今後は、その減少を補う再生可能エネルギーと蓄電等の付帯技術の開発の加速が見込まれ、欧州では、競争激化や売電価格の下落などにより事業環境は厳しくなりつつも、発送電・蓄電・エネルギーマネジメント関連ビジネス拡大が期待されます。

その他、環境に関して昨年年初に欧州委員会が発表した「欧州プラスチック戦略」は2030年までに欧州市場のすべてのプラスチック容器包装をリサイクル可能なものにすることを掲げ、欧州の新たな投資・雇用機会の創出を生みだすことが期待されます。

商社にとって、地球環境をめぐる様々なビジネスは、今後、増々重要になると思います。

双日欧州会社

パリ支店長

吉澤 顕 (よしざわ あきら)

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