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建設:山本 かおる/鹿島建設(株)

 新年明けましておめでとうございます。 

本年もどうぞよろしくお願いします。

 東京では2020年のオリンピックに向けて、湾岸エリアを中心に様々なビッグプロジェクトが建設中です。さらに2025年の大阪万博も決定し、日本の建設業界にとってはグローバルなイヴェントに投資する機会が再び担保されたといえるでしょう。一方で、東京オリンピックの次の2024年の開催地がパリに決定し、昨年11月には小池都知事がパリ市庁舎を訪問し、新しい形のオリンピック・パラリンピックに向けて互いに協力しあっていくことをイダルゴ市長と約束しました。

 日仏の建設業界を取り巻くこうした短期的な動向の一方で、より長期的な視点から今後の動向をみると、いくつかの大きな潮流があると思われます。例えば日本では、人口減少や少子高齢化による建設現場における人手不足が深刻化し、工期の遅れや工費の高騰、さらには建物の品質の確保が難しい状況となっています。それに対しては、建設現場でのAIロボットやIoT技術の活用、女性に配慮した現場の環境整備を含めて、それらの積極的な活用が進められています。

 パリや東京といった大都市で様々なプロジェクトが新たに始まると、人間と資本と情報が都市に集約し、大都市はさらに巨大化していきます。パリ市はすでに、周辺コミューンを加えたいわゆるグラン・パリ構想を掲げて、既存の地下鉄ネットワークの延伸や、パリ周辺の様々な地域に新たな拠点をつくるプロジェクトの牽引役となっています。一方、すでに郊外が満杯状態の東京では、唯一残っている湾岸エリアの埋立地を建物で埋め尽くしているといったところでしょうか。

 こうした都市への過度な人口集中によって、そこにはまた新たなビジネスが生まれ、これまでの産業構造は大きく変化していくと思われます。そのような状況に対して建設業界では、主要事業である建設業の一層の強化に加えて、エンジニアリング分野や設計段階を含めた建設への事業拡大に取り組むとともに、開発系事業、管理業事業、PPP/PFI等の企画提案型事業といった建設業以外の事業展開の重要性が高まっています。

 昨年も世界中の至る所で様々な自然災害がありました。ギリシャではヨーロッパ史上最悪となる山火事が発生、多くの死者が出ました。アメリカ西海岸地域も含めてこうした状況は更に拡大する可能性があります。北アフリカや日本においても、夏は極端な高温が続く中、ゲリラ豪雨により多くの地域で洪水被害が報告されました。世界中で連鎖する気候変動、その要因が新興国を含めた都市への人口集中と関連していることは容易に想像がつきます。

 多発するこうした災害に対して、建設業界はどのような理念をもって向き合うべきでしょうか。例えば国内では、リスク管理型社会の構築に向けて防災基準や環境規制の一層の強化が進められており、それに準ずる形で建設業界の基準整備が行なわれています。一方で、災害時の生活支援や災害後の復旧活動も建設業の重要なミッションであると考えます。防災と復興のための新しい技術、そして環境負荷の少ないサスティナブルなまちづくりへと、建設業界の社会的役割はより多様性に富んだ方向に進んで行くことになるでしょう。

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