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略歴

1978年大学卒業後横須賀米海軍病院・八尾徳洲会病院にて研修。85年より米国ミネソタ大学にて家庭医療学の臨床研修後、85年より99年までミネソタ州バッファローにて農村医として開業。99年よりミシガン大学にて臨床助教授として教育、日本人コミュニティー医として診療に従事。2006年3月より現職。米国家庭医療認定専門医・フェロー。滋賀医科大学客員教授。ミシガン大学客員教授。

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  海外生活と健康・フランス編 <第五回>
 

佐野 潔
(家庭医療専門医)
アメリカンホスピタル 日本セクション

今年もインフルエンザシーズンがやってきます

毎年年末になると面倒くさいのがインフルエンザの予防接種です。一度うったらもう一生うたなくてもいいようなインフルエンザの予防接種はできないものでしょうか。インフルエンザビールスは賢いので毎年毎年自分の体を変化させてより強いものへと進化していきます。ワクチン作りもそれに対抗して毎年その年に流行しそうなものを想定して混合液を作りますが、時として外れてしまうこともあります。香港型とかモスクワ型とかいろいろなものがありますがインフルエンザの予防注射の中には、それらの組み合わせがその年の最初に発見された型を中心に3種類ほどが混合されています。そしてこれらのビールスのワクチンを作るために培地として利用されるのが卵白であるため卵アレルギーがある場合には接種を避けるということになります。

またインフルエンザの予防接種も接種後早くとも4週間は経たないと効果は認められません。従い毎年インフルエンザのピークシーズンである1月には効果が出るよう11月頃より接収を始めるということになっております。

インフルエンザは罹ると皆が発症したり重症化するとは限りませんが、持病として心臓病、喘息、糖尿病、慢性肺疾患などを持っているとインフルエンザによってその病気が悪化したり、インフルエンザから肺炎にかかったりすることもあり、そういう方は絶対に予防接種を受ける必要があります。また生後6ヵ月から4歳までの乳幼児、50歳以上の高齢者も受けることが推奨されています。8歳以下で生まれて初めて接種の子供さんは1ヵ月後に再度受ける必要があります。また妊娠中や生後6ヶ月未満の赤ちゃんのいる家庭では家族全員が受けることをお勧めします。

一方、健康な小児(4歳以上)、成人(50歳未満)は毎年予防接種の製造数が多い場合には受けることをお勧めされますが、時として製造がおっつかないとかいうことが起きる場合には一時的に適応からはずされたりします。そのため毎年の適応条件を知っておく必要があります。

インフルエンザに罹ったら抗生剤が必要でしょうかという質問をよく受けますが、ビールスはその大きさが細菌の100分の1以下ですから人体の細胞の中に入って潜み遺伝子の組み換えとかさまざまな悪いことをしますので、ビールスのいる細胞内に薬が到達できなくてはその効果もまったく出てきません。残念ながら抗生物質というのはその分子のサイズが大きいため細胞の中には入れません。要するに効かないということです。一時期タミフルーなる抗ビールス剤が乱用されましたが、これもビールスをやっつけてくれる薬ではなく、所期に使うことで病期を少し短縮したり症状を若干緩和する可能性も証明されております。しかし発症後2日以内に使わなければ意味はありません。また副作用として若年者の飛び降り自殺が増加したなどということが報告され、昨年より使用が規制されるようになりました。
今年も11月からインフルエンザ予防接種のシーズンが始まります。接種の必要な方、または始めて接種希望の方は医師に相談してから、注射液を自分で購入(処方箋なしで購入可能)して持参し、医師のところでうってもらうという手順になります。

佐野 潔
パリアメリカン病院家庭医療科
予約は01.46.41.26.16まで。

2007年11月19日付け