CCIJF – 在仏日本商工会議所

カシュー・ラジョニ、販売打ち切りに

レグリス(リコリス)味の口中清涼剤として知られるカシュー・ラジョニ(Cachou Lajaunie)商標の製品の販売が打ち切られた。店頭に並ばなくなり、愛好者らが騒ぎ始めていたところで、商標を保有するオランダのペルフェッティ・ファン・メレ社が9月5日に確認した。
カシュー・ラジョニは、トゥールーズの薬剤師レオン・ラジョニが1880年に発売したロングラン製品。丸く平たい金属製の箱に黒く小さな粒状の飴が入っている。カシュー(カテキュー)と呼ばれるタンニンを多く含む粉にレグリスを練り込んで製造されている。黄色を思わせる発明者の名前にちなんでか、黄色の地に黒字で商品名等が記されているレトロなデザインを採用。日本の仁丹のような位置づけで、薬局からスーパー、キオスクなど、いたるところで目にする商品だった。商標と権利は1905年以来、転々と所有者がかわっており、2023年にモンデリーズから買収したチューインガム事業の資産の一部としてペルフェッティ・ファン・メレの傘下に入っていた。2021年の販売は300万個程度で、フランス以外の市場での販売実績はほとんどない。
既に2024年秋には、味が変わったと抗議する署名運動の対象になっていたという。ペルフェッティ・ファン・メレは、需要の減少を踏まえて検討の上で、同製品の製造と販売を打ち切るという困難な決定を2025年初頭に下したと説明している。