CCIJF – 在仏日本商工会議所

潜水艦拠点にドローン飛来、背後関係は調査中

仏軍隊省は12月5日、重要軍事拠点にドローンが飛来する事件が発生したことを明らかにした。
司法当局の捜査が開始されているが、事件の背後関係については調査中として、慎重な姿勢を示している。
ドローン飛来があったのは、フィニステール県ブレスト市の軍事拠点で、フランス軍の潜水艦の格納拠点の上空に、少なくとも5機の未確認ドローンが飛来した。
軍は妨害電波によりドローンの撃退を図ったが、ドローンの確保には至らなかった。
当局は、安全保障上のリスクが生じる局面はなかったと説明している。
国防関連のドローン飛来事件は9月末以来で既に数件が発生している。
マルヌ県ムルムロン練兵場の上空、ドルドーニュ県ベルジュラック市のウレンコ社の火薬工場、そして、ミュルーズ(オーラン県)近くで演習中だったルクレール戦車隊の上空にドローンが飛来した。
ブレスト拠点でも、11月18日未明に、付近までドローン1機が飛来する事件があり、この時は拠点上空にまでは至らずに姿を消していた。
ドローンは、撃退は可能でも機体の確保は困難で、このような怪事件において背後関係を把握するのは容易ではない。
付近住民や広く国民の懸念を煽り、不穏な空気を醸成するためのロシアによるハイブリッド攻撃である可能性も高いが、当局は、確実な根拠がない限りはロシアの名前を口にしない方針を決めている。
当局側は特に、ロシアに実際以上の能力があると喧伝することになるのを警戒しているという。
いずれにせよ、重要拠点や施設の保護強化が課題となる。