CMA CGM、保有するエールフランスKLM株式による転換社債を起債
エールフランスKLMの株価が10月9日に7%の急落を喫した。
仏海運大手CMA CGMが、保有するエールフランスKLM株式との転換が可能な社債の起債を決めたことで、資本関係解消の可能性を投資家らが嫌気したものとみられる。
CMA CGMは、償還期限3年の転換社債3億2500万ユーロ相当を発行する。
0.5-1%のクーポン債で、転換価格はエールフランスKLMの基準株価の30-35%と高めに設定されている。
CMA CGMは、2022年に空輸事業でエールフランスKLMと業務提携を結び、この時に8.8%株式を取得していた。
両社は2024年にこの提携事業を解消、CMA CGMは、自前で空輸事業に着手し、子会社シーバを通じて物流事業の強化を進めた。
エールフランス株式の保持を続ける約束は去る2月に期限切れを迎えており、今回のような転換社債の発行も可能になった。
CMA CGMは今回の起債について、エールフランスKLMの株式の処分を目的としたものではないとし、同社株式については今後の値上がりを予想しており、その保持を今後とも続けると強調。
起債の目的は、資金調達の手段を多様化することにあると説明している。
CMA CGMに近い筋では、本当に売却を望むなら、投資家への一括譲渡など、迅速に遂行可能で費用がかからない方法があると説明、転換価格が高めに設定されていることも、エールフランスKLM株式の値上がりの余地を肯定的にとらえている証だとしている。
ちなみに、3億2500万ユーロという金額は、大型コンテナ船(2億5000万ユーロ前後)の1.5倍程度という規模で、同社にとって大規模な調達であるとはいえない。
