パリ首都圏で初の都市交通ロープウェイ「カーブルC1」が開業
パリ首都圏では初の都市交通ロープウェイ「カーブルC1」が12月13日に営業運転を開始した。
バルドマルヌ県の中心都市クレテイユ市から発して、郊外のリメイユ・ブレバンヌ市及びバラントン市を経由し、ビルヌーブ・サンジョルジュ市までを結ぶ4.5km・全5駅の路線が整備された。
毎日、5時30分から23時まで(土曜日は0時30分まで)運行される。
パリ首都圏の公共交通機関を統括するIDFMが整備事業を立案、トランスデブが運行を請け負う。
整備事業には1億3800万ユーロが投資され、財源は、パリ首都圏が49%、バルドマルヌ県が30%、21%を国と欧州連合(EU)がそれぞれ負担した。
キャビンと運営システムはオーストリアのドッペルマイヤー社が供給した。
キャビンは10人乗りで、20-30秒ごとに運行される。
全行程の所要時間は20分で、バスを利用した現在の輸送体制の半分程度に短縮される。
システムは全105キャビンで構成され、1日の輸送能力は1万1000人と、大型のバスを高頻度で運行した場合と同等の役務を確保できる。
駅はグラウンドレベルにあり、キャビンは下がって駅に入るように設計されている。
完全なバリアフリーを実現し、全キャビンには車いす用のスペースがある。
自転車の持ち込みも可能。
故障時には各キャビンが自力で駅まで安全に移動できる冗長性も確保されているという。
各駅に2人の職員を常駐させるなど、全部で90人の職員が運行管理に当たる。
料金は通常のバスと同じで、ナビゴ(定期券)でも乗車できる。
都市交通ロープウェイとしては国内で5件目の開業となる。
これまでにはブレスト(ブルターニュ地方)、サンドニ(レユニオン島)、トゥールーズと、2ヵ月前に開業したアジャクシオ(コルシカ島)の4件があった。
国内ではこのほかに、マルセイユ空港までを結ぶ路線の整備計画などがある。
