統一市町村選挙の決選投票:RNとLFIの伸張は控え目
統一市町村議会選挙の決選投票が3月22日に行われた。
投票率は48%程度と、コロナ禍の最中だった前回選挙の35%を上回ったものの、前々回(2014年)の52%を大きく下回った。
第1回投票と同様に、有権者の関心は低めだった。
それぞれの自治体の状況が結果を大きく左右する統一地方選挙の性質上、傾向を簡単に概括するのは難しいが、全体としては、極右RNと左翼LFIという左右の極端な勢力がどの程度の伸張を果たすかが注目されていた。
総体的には、特に規模の大きい自治体においては、RNの伸張を阻む形で対立候補に票が流れ込むという「共和国の団結」が機能した。
また、LFIが合流した候補リストへの支持はむしろ低く、LFIも有権者らから不信の目を向けられていることが、選挙結果からはうかがわれた。
パリでは、改選前に市政を担う社会党のグレゴワール候補が50.52%の得票率を達成。
ダティ前文化相(共和党)は、マクロン大統領派のルネサンス党の合流を得たものの、得票率41.52%で遠く及ばず、完敗を喫した。
立候補を維持した左翼LFIは得票率が7.96%だった。
パリでは、グレゴワール候補がLFIとの協力を拒否したことが、むしろ好結果につながったと考えられる。
ダティ候補は、汚職容疑で司法当局の追及を受けていることもあり、この敗北が致命傷になる可能性もある。
マルセイユでは、現職ペイヤン市長(左派)が54.58%の得票率で再選を果たした。
極右RNは得票率40.13%で、第1回投票時から支持を伸ばすことができず、結果的には大差で退けられた。
マルセイユでも、ペイヤン市長が左翼LFIとの協力を最初から拒否。
そのLFIは、極右RNの阻止を目的に立候補を取り下げたことから、大勢が決した。
リヨンでは、環境派の現職ドゥセ市長がLFIを除くすべての左派勢力の協力を得て、50.67%の得票率を達成。
実業家のオーラス候補が率いる中道諸派のリスト(49.33%)を僅差で下した。
環境派の市長は全国的には劣勢に立たされていたが、リヨンでは防衛を果たした。
ただ、僅差ということもあり、オーラス候補は選挙結果に異議を唱えて再調査を請求する構え。
ニースでは、極右RNと協力するUDR党を率いるシオティ下院議員が48.54%の得票率で、現職エストロジ市長(右派オリゾン党、共和党も合流)の37.20%に大きく差をつけて勝利した。
シオティ氏は共和党の大物政治家で、離脱を経て極右勢力に合流した。
離脱前からの知名度も助けになったが、10大都市で極右系の市長が誕生するのはこれが初めてで、RNにとっては大きな成果となった。
ボルドーでは、ルネサンス党所属の元閣僚カズナーブ候補が率いる中道・右派諸派の合同リストが50.95%の得票率を達成、環境派の現職ユルミク市長(49.05%)を僅差で破った。
ストラスブールでも、社会党のトロットマン元市長が37%の得票率でトップとなり、環境派現職のバルセギアン市長(31.70%)を下して返り咲きを果たした。ほかに共和党のベテル候補が31.30%を獲得した。これらの2都市は環境派市政の苦戦を象徴している。
トゥールーズでは、現職ムーダン市長(右派諸派)が53.87%の得票率を達成。
左翼LFIのピクマル下院議員が率いるリスト(46.13%)に明確な差をつけて再選を決めた。
同市では、社会党候補がピクマル候補のリストに合流を決め、数字の上では左翼・左派が有利だったが、LFIの当選を阻む目的で、左派有権者がかなりの数、ムーダン市長の支持に流れたものと考えられる。
極右RNが勝利を狙っていた南仏ニーム市では、共産党のブジェ候補(ほかに社会党と環境派が豪中)が40.97%の得票率を達成し、RNの37.52%を上回り、当選を果たした。
同市は共和党の牙城だったが、内部分裂があり、最終的に共和党候補は21.51%の得票率で大敗した。RNは南仏トゥーロン市での勝利も狙っていたが、ここでも一騎打ちで共和党候補を前に敗退した。
右派オリゾンのフィリップ党首(元首相)は、地元のルアーブル市で47.71%の得票率を達成、共産党の対立候補(41.17%)を退けて再選を決めた。
フィリップ氏は面目を保ち、2027年の大統領選挙への出馬に向けて道を開くことができた。
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