司法改革法案の上院審議開始、弁護士らは法案に反対して抗議行動
上院で4月13日に「重罪裁判と被害者の尊重」法案の本会議審議が始まった。
法案はダルマナン法相が策定した。
法案に反対する弁護士らは13日に抗議行動を展開した。
法案は、裁判の迅速な実施を図る目的で、司法取引を「重罪」にも適用可能にする旨を定めている。
フランスにおける「重罪(crime)」とは、最高刑が禁固12年以上である犯罪を指す。
被疑者が有罪を認めた上で、量刑を司法取引により決定し、裁判所の承認を経て執行するという制度は、一部の犯罪については導入済みだが、これを「重罪」についても適用するという趣旨。
法案は、被害者が15歳未満である性的犯罪等について、司法取引の対象外とすることを定めており、小委員会における審議では、司法取引を受け入れるか否か、また提示された量刑を受け入れるか否かを被疑者が決めることができる期間を、当初案の10日から15日に延長する修正が施された。
適用には被害者の承認も必要で、被害者は手続きの全体を通じて弁護士の同席を得られ、法務補助も受けられる旨があわせて定められている。
弁護士側では、裁判を経ずに案件が処理されるのは関係当事者らの権利の侵害を意味するとして反対している。
法案はまた、県単位で設置された「重罪裁判所」についても改正を加えている。
最高刑が禁固15年以上の重罪は、本来は審判員制度が適用される「重罪院」にて裁かれる規定になっていたが、「重罪裁判所」は、最高刑が20年までの犯罪について、陪審員なしで裁判を行うという趣旨で設置された。
立て込む裁判所の負荷を軽くして、案件処理の迅速化を図る目的で設置されたが、裁判員制度が適用されないことが批判の対象となっていた。
法案は、一部の裁判官に、職業的裁判官以外の者を登用するという改正を盛り込んだが、選任の方法が不明確だなどとする批判の声は止んでいない。
法案はさらに、捜査上の不備等を理由とする手続きの無効化請求の乱用を防ぐ目的で、請求ができる期限を、6ヵ月から3ヵ月に短縮することを定めている。
この点には、弁護士側から特に批判が集中しており、批判に配慮して小委員会審議では、期間の起点を、予審(担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き)開始通告ではなく、捜査文書を弁護士が実際に受け取った時点とするという修正が施された。
