CCIJF – 在仏日本商工会議所

男女の賃金格差の対策に関する欧州指令案、フランスでも国内法規化が準備に

政府は賃金不平等対策の欧州連合(EU)指令の国内法規化を進めている。
2025年6月7日に各加盟国は国内法規化の完了を求められていたが、フランスはこの期限に間に合わなかった。
関連法案がようやく、事前審査を目的として行政最高裁(コンセイユデタ)に提出された。
国内法規化については、経営者団体のMEDEFをはじめとして、企業側に煩雑な事務処理を押し付けるものだとする強い不満の声が上がっている。
法案は、男女間の賃金格差等について、7つの新たな指標を導入し、その当局への提示や、請求する従業員に対するデータの開示などについて定めている。
女性が不当に低い賃金での就労を押し付けられることがないように、情報開示を通じてしかるべき法的手段を講じられるようサポートする狙いがある。
フランスはこの分野では実は進んでおり、2021年に制定の法令により、5点の指標の算定と開示を従業員数50人以上の企業に義務付けられている。
政府は今回のEU指令の国内法規化において、既存の指標を廃止して、指令に即した内容の指標を導入することを提案しているが、企業の事務処理上の負担に配慮し、7つの新指標のうち6種については、既存の申告制度の枠内で得られるデータを処理して自動的に算定する旨を約束している。
その対象となるのは、▽男女間の賃金総額の格差に関する2つの指標、▽変動型報酬と諸手当等の格差に関する2つの指標、▽変動型報酬及び諸手当等の適用を受ける男性と女性の割合と、報酬水準の上位から下位までの4つの従業員グループのそれぞれにおける上記の割合、で、DSNと呼ばれる一括申告制度で得られたデータに基づいて、当局が自動的に計算する。
各企業は、「Egapro」ポータルサイトにおいて、自社のアカウント上に表示される数字をチェックし、正しければそのまま、誤っていたら訂正するという流れになる。
ただし、同等及び同価値の労働についている人の間での男女の賃金格差という、定義と把握が難しい指標の問題が棚上げされており、これが懸念材料となる。
当局は、この10月に、様々な規模の10社程度の企業を対象に導入試験を行う予定で、2027年6月に新制度の本格導入を目指す。