CCIJF – 在仏日本商工会議所

ギリシャ、仏ナバル・グループにフリゲート艦を発注

マクロン仏大統領とギリシャのミツォタキス首相は28日、防衛分野の戦略的協力関係を強化することで合意したと発表した。ミツォタキス首相がフランスを訪問した機会に合意した。ギリシャはトルコの脅威に敏感になっており、フランスが協力を約束した。

具体的には、仏ナバル・グループが建造するベルアラ級護衛フリゲート艦(通称FDI)3隻をギリシャ海軍が導入する。追加で1隻を調達するオプションも設定される。装備では、MBDAがミサイル(Aster 30 B1とエグゾセ)を、タレスがソナーとレーダーを供給する。ベルアラ級フリゲート艦はフランス海軍が5隻を発注済みで、初号艦が2024年に進水する予定となっている。4600トンで全長は120メートル。3隻の価格は30億ユーロとされる。

ギリシャ政府はまた、ダッソー・アビエーション社製のラファール戦闘機を6機、追加発注することを決めた。ギリシャは合計でラファールを24機配備することになる。これを加えると、今回の契約総額は60億ユーロに達するともいわれる。また、ゴーウィンド級コルベット艦(2500トン)3隻の調達も協議された模様だが、こちらはまだ正式発表がなされていない。

ナバル・グループは、オーストラリア潜水艦の大型契約を取り消されて多大な打撃を受けたばかりだった。契約規模では比べるべくもないが、ギリシャからの契約の獲得は、欧州の独自防衛の構築というフランス政府が掲げる理念とも合致しており、ナバル・グループにとっても朗報となった。なお、この契約を巡っては、独ティッセンクルップ、伊フィンカンティエリ、オランダのダーメンに加えて、米ロッキードマーティンも名乗りを上げていたという。