CCIJF – 在仏日本商工会議所

パリ「最優秀バゲット賞」受賞者、イスラム主義的なメッセージの流布で物議に

パリ市が毎年選ぶ「最優秀バゲット賞」に選ばれたパン職人がネット上でイスラム主義的なメッセージを流布していた件で、大統領府は4日、伝統である大統領府へのパンの「1年間納入」は予定されていないと発表した。受賞者からの連絡はないとし、最優秀賞受賞者の納入は自動的ではないと説明した。

今年の「最優秀バゲット賞」を受賞したマクラム・アクルート氏はチュニジア系で、去る9月26日に受賞を決めた。その後、同氏が、フェイスブックのタイムライン上で、過去2年間にイスラム主義的なメッセージをシェアしていたことが取り沙汰されて物議を醸していた。「フランスはイスラム的価値と宗教から我々を遠ざけよとし、植民地主義的な利益を追求して衰退を広めている」、「我々はシャルリーエブドやノートルダム寺院に涙を流したのに、フランスは創造主たるアラーの紙を愚弄する犬どものことを悔いたりはしない」などのメッセージがシェアされていた。

アクルート氏の弁護士は、ネット上の極右勢力による強いバッシングの産物であると弁明し、大統領府の決定を遺憾だとした。「最優秀バゲット賞」受賞者による大統領府への1年間の納入は慣行として定着しており、業界組合によれば、その中止は前代未聞であるという。