CCIJF – 在仏日本商工会議所

ZFE廃止条項、下院を通過

行政手続き簡素化法案を審議中の下院は5月28日、都市部に車両通行規制地区ZFEを設定する義務を撤廃する条項を採択した。
この条項は、修正案の形で極右RNの議員が提出。RNに協力する右翼新党UDRに、左翼政党LFI(不服従のフランス)が相乗りする形で賛成票を投じ、賛成多数で採択された。
与党議員の一部も賛成票を投じた。
ZFEは2018年に導入された制度で、人口が一定以上の都市圏に設定義務がある。
ZFE内は排気ガスの汚染度が高い車両の乗り入れが制限される。
大気汚染対策として導入された制度だが、汚染度が低い車両を購入できない低所得層を差別する制度だとして、一部の勢力から強い反対論が出されていた。
簡素化法案には、土地の人工被覆化ネットゼロ目標の例外規定導入も盛り込まれており、環境規制や気候変動対策の措置が、ポピュリズムの圧力を受けて後退や廃止を迫られる局面がこのところ増えている。
農業関連の議員立法法案により、ネオニコチノイド系農薬の使用禁止措置が部分的に解除される展望となっていることも、そうした動きの中に位置づけられる。