CCIJF – 在仏日本商工会議所

欧州企業に投資の貯蓄商品「ファイナンス・ヨーロッパ」が導入に

独仏などの呼びかけで、欧州企業への資金供給を目的とした貯蓄商品ラベル「ファイナンス・ヨーロッパ」が導入された。
7ヵ国が合流し、6月5日に発足の宣言がなされた。
合流したのは、独仏のほか、スペイン、オランダ、ポルトガル、ルクセンブルク、エストニアの合計7ヵ国。「ファイナンス・ヨーロッパ」のラベル認定を受ける貯蓄商品は、資金の70%を、上場・非上場を問わず、欧州の企業の株式又は社債に投資することが条件となる。
また、資金は最低5年間に渡り維持することが条件となる。
商品は各国の監督機関と欧州連合(EU)の機関の監督の下に置かれる。各国は税制優遇措置を適用して利用を後押しする。
「ファイナンス・ヨーロッパ」の貯蓄商品は、EUの資本市場同盟(CMU)構想と連動する形で導入される。
足元の国際情勢において、域内の防衛産業の振興など、資本を必要とする案件は多く、また、有望なベンチャー企業が外国に流出することを防ぐために、域内で潤沢な資金供給を実現することが課題になっている。
域内の貯蓄資金は35兆ユーロに上り、年間で1兆ユーロ増加しているとされており、この一部を企業振興の資金に振り向けることができれば、状況を変えられる。
ただ、欧州の場合、元本保証があり、流動性が高い貯蓄商品に貯蓄資金の半分近くが集中しているという特殊性があり、この割合は米国の14%と比べると高い。
安全志向をどの程度切り崩せるかが成功のカギとなる。
具体的な商品の発売は2026年になる見通し。今後に他の加盟国が合流する可能性もある。