CCIJF – 在仏日本商工会議所

仏高級ブランド部門に逆風、ケリングは減収減益

フランス経済の主力部門の一つである高級ブランド業で不振が広がっている。
最大手LVMHに続いて、ケリングもさらに厳しい内容の1-6月期業績を発表した。
ケリングは1-6月期に売上高が前年同期比で15%減を記録。
主力のグッチでは減収率は25%に達した。
バレンシアガを含むその他ブランドは14%減を記録。
子会社のケリング・アイウェア(3%増)とボッテガヴェネタ(2%増)のみがわずかな増収を記録した。アジア(22%減)、米国(11%減)、西欧(15%減)、日本(20%減)と軒並み販売が後退した。
1-6月期の営業利益は39%減の9億6900万ユーロに後退。
グッチに限ると減益率は実に52%に達した。
グッチのアーティスティック・ディレクターに就任したデムナは2026年3月に初のコレクションを発表する予定で、ケリングは9月には仏自動車大手ルノーのCEOを務めたデメオ氏(イタリア人)をCEOに迎えて巻き返しを図る。
最大手のLVMHは7月24日に1-6月期業績を発表済みだが、4%の減収、純利益の22%減(前年同期の72億6700万ユーロが56億9800万ユーロへ)など、やはり厳しい業績となった。
ケリングと比較可能なファッション・革製品部門に限ると、同期の減収率は7%で、地域別では、米国と欧州では横ばい、アジアで9%減、日本で15%減と、ケリングに比べると健闘した。
営業利益率も、ケリングの12.8%に対して、LVMHは22.6%と、厳しい中にも明暗が分かれた。