CCIJF – 在仏日本商工会議所

ミュリエ一族とムスクテール、リテールメディア事業を統合

仏流通大手のAFM(ミュリエ一族)とムスクテール・グループ(アンテルマルシェなど)がリテールメディア事業で協業する。
同事業の子会社を合弁化する。
両社は既に、購買分野で協力関係にある。
これを、店舗とECの両方でリテールメディア事業にも拡大する。
具体的には、AFMの子会社Valiuz(従業員数310人)にムスクテールが自らの子会社Infinity Advertising(従業員数50人)を持ち寄り、合弁子会社化する。
Valiuzは2019年の設立で、AFM傘下のブランドのうち18ブランド(食品小売のオーシャン、ホームセンターのルロワ・メルラン、家電販売のブーランジェ、アパレルチェーンのキアビなど)の店舗及びECの広告枠を取り扱っている。
ムスクテールはこれに傘下のブランド(アンテルマルシェのほかにネット、ホームセンターのブリコマルシェなど)の事業を持ち寄る。
ムスクテール傘下のInfinityは、食品小売のカジノ(モノプリ、フランプリなど)の事業も引き受けており、合弁化により事業規模は拡大する。食品・日用品の大手メーカーとの交渉力も強化される。
Valiuzは2024年に5000万ユーロの売上高を達成。
今回の協業前で、2025年に2倍増収を目標に設定していた。
Valiuzは目標を維持すると共に、2026年にも同程度の増収を目指す方針を明らかにした。
フランスのリテールメディア市場はアマゾンが90%のシェアを握っているといわれる。
アマゾンの手が入っていない食品小売において足場を固めて(食品小売市場におけるオーシャンとアンテルマルシェのシェアは合計で26.5%)、欧州レベルで太刀打ち可能な勢力となることを目指す。
事業範囲と取引先は順次拡大する。