CCIJF – 在仏日本商工会議所

カルフールの4%株式をサーデ一族(海運大手CMA CGMを保有)が取得

仏食品小売大手カルフールは11月12日、資本異動等について発表した。
仏海運大手CMA CGMを保有するサーデ一族が4%株式を取得し、主要株主となる。
これに伴い、CMA CGMのロドルフ・サーデCEOが社外取締役に就任する。
他方、カルフールの8.5%株式を確保し、第2の株主だったブラジルのディニス一族は持分を処分して撤退する。
ディニス一族の取締役2人も退任する。
一族を率いていたアビリオ・ディニス氏は2004年2月に死去し、相続人らは持分の売却を望んでいた。
カルフールの筆頭株主であるムーランウーゼ一族(大手百貨店ギャラリーラファイエットを保有)は、サーデ一族の出資を歓迎し、保有する9.5%株式を維持する旨を確認した。
なお、同一族は2024年3月時点で3.5%株式を譲渡していた。
サーデ一族は、100%出資の持株会社Carrixを設立し、4億ユーロ弱を投資してカルフールの4%株式を所有する。
カルフールのボンパールCEOは、去る7月に任期3年で再任を決めた後、投資家らと接触して出資希望者を募っていた。カルフールは厳しい競争環境もあって株価の恒常的な低下に苦しんでおり、安定した株主層の確保が課題だった。
同社には、2007年から2021年まで主要株主を務めたアルノー一族(高級ブランド大手LVMHを保有)が支持を与えていたが、その間に株価は50ユーロから17ユーロへと低下。
フナック(書籍CD・電子製品など販売)のCEOを務めていたボンパール氏がCEOに就任した2017年の23ユーロと比べても、株価の滑り落ちは止まっていない。
12日終値は13ユーロ台となっている。サーデ一族はこのところ、本業に近い物流に加えて、メディア部門への活発な投資を展開しているが、カルフールへの出資は金融投資の一環で行ったものとみられている。