CCIJF – 在仏日本商工会議所

小売・流通:牧野 高明/株式会社大丸松坂屋百貨店 パリ駐在員事務所

2022年百貨店業界の見通し

新年明けましておめでとうございます。

2022年も在仏商工会議所会員各社の益々のご繁栄と、会員各位およびそのご家族のご健勝をお祈り申し上げるとともに、新型コロナウィルスの一刻も早い沈静化を切に願います。

2021年の百貨店業界は、前年度に引き続きコロナ禍による政府・自治体の休業要請・時間短縮・入場規制の影響を受けた一方で、秋以降はコロナ第5波の終息やワクチン接種率の向上により消費者の外出機会が増えたことから、回復の動きを見せています。

2022年の見通しとしましては、第6波再来の懸念もあるコロナウィルスと共存しながら、百貨店の完全なる復活を目指すこととなります。

そこで、以下の3つの動き・取組が加速すると思われます。

1つ目は「富裕層シフトの強化」です。日本の百貨店が誇る「外商」ビジネスはコロナ禍における影響も小さく、ラグジュアリーブランドや宝飾、時計、アートなど富裕層をターゲットとする商品の売上は好調に推移しています。今後は、長年の信頼関係を築いてきた外商顧客だけでなく、30代〜50代の新富裕層に向けた高級商材の拡充とともに、デジタルや新たなプライムコンテンツによる富裕層の生活に寄り添うサービス・体験価値を提供する取組が重要となります。

2つ目は「OMO(Online Merges with Offline)戦略」です。コロナ禍で店頭での対面販売や集客イベントが制限されたなかで、2021年にはデジタルを通じて接客を行うだけでなく、リモートショッピングアプリの開発やOMOショッピングサイトの構築など、店頭(オフライン)とオンラインをシームレスにつなぐことにより、情報収集から商品購入まで顧客が自分にあった購入方法を都度選択できる新しい購買体験を提供する動きが加速しました。また、DtoCブランドと協業した「モノを売らない」ショールーミング型の売場の開発やヴァーチャルマーケットへの出店といった動きも出てきています。2022年はリアル店舗をもつ百貨店ならではのOMO戦略をさらに加速させることにより、オンライン売上の規模拡大を目指します。

3つ目は「サステナビリティへの取組」です。パリの百貨店ではセカンドハンドやアップサイクルの商品を大きく展開する売場がオープンし話題となりましたが、日本でも環境配慮型商品や地元の伝統工芸品の展開、フードロス削減に向けた取組など、店舗を通じて発信するサステナブルな取組が2021年も各社で行われました。本年も未来へ向かう持続可能な社会の構築に向けて、環境活動や地域共生への取組を行ってまいります。

本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。