CCIJF – 在仏日本商工会議所

観光・運輸・レジャー業界:西澤 宏章/日本航空株式会社

2022年(令和4年)、新年明けましておめでとうございます。

2021年も残念ながら新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に翻弄され続けた1年となり、「観光・運輸・レジャー業界」はとりわけ甚大な影響を受けることとなりました。

国際航空運送協会(以下、IATA)によると、世界レベルでは、2021年の航空旅客総需要(旅客キロ)は、過去最高の需要であった2019年比で50%減と2020年の57%減に続き、最悪期を脱せていない見通しとなっております(同じく2019年比で航空貨物需要は2020年33%減/2021年13%減見込み)。また、日本の出入国者数について、11月までの実績は、日本人出国者数は2019年比97.5%減の46万人(2019年同時期は1,836万人)、訪日外国人数は同99.2%減の23万人(同2.935万人)となっており、2年連続して日本と海外の人の流動がほぼ停止している大変厳しい状況にあります。(数値はJNTO統計より)

入国制限や入国後の行動制限についてはワクチン接種の普及等を受けて緩和傾向も見受けられたものの、新たなCOVID-19変異株(オミクロン株)の発生を受けて、再び水際措置強化の動きに戻っております。今後も各国の出入国規制の変化や感染状況の変化を踏まえ、市場動向を引続き注視していく必要があります。

IATAによると、2022年における人の流動はまだまだ限定的であり、地域別の旅客キロは、いずれも2019年比で、EU 34%減、北米 15%減、アジア太平洋 40%減との見通しで、世界規模で旅客需要が2019年レベルに戻るのは2024年までかかるとの厳しい予測(特にアジア太平洋において)がされております。業界としても、2020年4月からの「首都圏発着枠の拡大による羽田空港国際線拡大」や「東京2020オリンピック・パラリンピック大会」を受けて、訪日旅客数4,000万人目標達成に向け、本来であれば大きな盛り上がりを期待していただけに失望も極めて大きい状況です。

このような環境下で迎えた2022年ですが、日本国内においては年末年始を中心に往来が回復傾向にあること(2019年比70~80%)、国際的な人の往来再開に関してもCOVID-19の感染抑制を前提に先行する欧米に続いてワクチン接種証明書の早期活用がキーポイントになるものと期待するところです。

更に先に目を転じると、2023年ラグビーワールドカップ2023(フランス大会 2023年9月8日~10月28日)、2024年パリオリンピック・パラリンピック(2024年7月26日~8月11日、8月28日~9月8日)、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博 2025年4月13日~10月13日)と日仏交流が復活し更に飛躍する絶好の機会が続きます。2022年がそのステップとなるよう業界としてWITHコロナ、AFTERコロナを見据えながらしっかりと取り組んでいく必要があります。

一方、物流においては、2020年から徐々に需要が回復してきたものの、足元の需要は2019年の90%程度で推移しており、長期化するコロナ禍が交易全体にも影を落としています。供給サイドでは頭打ちの海上輸送に加え航空輸送も2019年レベルまで戻る見通しは立っておらず、加えて足元では船社、航空会社が自社供給をより需要の強い米州へシフトし供給を減らす動きも出るなど日仏、欧州の通商回復に向けた懸念点として注視していく必要があります。このように2022年も全体を通して逼迫した状況が想定されます。また、2021年は大陸を跨ぐ鉄道輸送の増加や、メーカーが部材調達先を従来のアジアからより近い東欧に変更する所謂、製造業における地産地消の加速などロジスティクス全体で変化も生まれています。元々は海上、航空輸送の遅延や輸送費増に対応した動きでしたがSDGsの観点からもこのような変化は2022年も加速していくものと想定されます。オミクロン株の出現などまだ先が見通せない環境下において物流においても多様性が求められることとなります。

上記のとおり、業界としては2022年も引続きコロナ感染状況と各国の水際措置の影響を受ける厳しい状況が続くことが予想されますが、WITH/AFTERコロナのニューノーマルな時代をゲームチェンジと前向きに捉え、SDGsへの取り組みを加速させ、いかに新たなビジネスモデルを構築していくことができるかが重要なポイントだと考えます。

最後になりますが、一日も早くコロナ禍が終息し世界に再び平和と安全が戻りますこと、そして皆さまにとって健康で有益な年になることを祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。