食品・化学・薬品・化粧品:三宅 智子/サントリーフランス
新年明けましておめでとうございます。
在仏日本商工会議所会員の皆様、そしてご家族の皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。
弊社のフランスにおける主要な事業は、オランジーナ・シュエップスなどのソフトドリンクの製造販売、そして、ボルドーに保有するワイナリーでのワインの製造販売です。
まずは、フランスの飲料市場についてです。
2022年は、コロナウイルスによる衛生危機からの回復、そして、猛暑であった夏の天候の恩恵を受け大きく伸長いたしました。
2023年については、インフレによる消費の鈍化も影響し、市場の成長は穏やかなものとなる見込んでいます。最も懸念する点としては、どの分野においても共通するところとなりますが、原料・包材、エネルギー費用の高騰やインフレの影響などの複数の材料が重なることで利益が更に圧迫されていくという点かと見ております。そして、環境意識への高まりへの対応も必要になって参ります。
一方で、長期的な視点をみますと、フランスの飲料市場の成長余地は大きく、(人口1人あたりの飲料消費量は他国と比較して少ないので)、まだまだ成長の機会はあると見ています。
今後、弊社においては、環境意識の高まりにしっかりと対応し、2022年に伸ばしたシェアを維持・拡大していくべく、様々な活動に取り組んで参ります。
次に、ボルドーに持つぶどう畑でのぶどう栽培及びワインの製造販売事業についてですが、
本事業は農業分野であります。
ご存知のとおり、地球温暖化による異常気象が続き、農作物の収穫量や質が大きく左右されています。ぶどう栽培の現場でも、異常気象への対策、環境保全・生物多様性への取り組みが急務であり、また人不足も深刻化しています。一方、栽培や製造分野でのロボット機器の開発、業界を上げてのCSRの取り組みなど、課題の解決への道筋につながる新しくポジティブな動きも活発となってまいりました。
2022年度は天候に恵まれ、ワインは非常に良い品質となりました。
2023年も農作物にとって良い天候が続き、また、みなさまが、このワイン大国フランスで、美味しいワインとともに素晴らしい1年を過ごされることを願っております。
サントリーフランス
三宅 智子