速水 清彦 在仏日本商工会議所 会頭

在仏日本商工会議所会員の皆様
2026年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
先ず始めに、昨年の商工会議所の諸活動に多大なるご理解とご協力、ご参加を頂きました企業会員の
皆さまに、この場をお借りして改めて厚く御礼を申し上げるとともに、年間を通じて常に力強いご支援を
賜りました在フランス日本国大使館と日仏関係各機関の皆様方に、会議所を代表して心よりの御礼を
申し上げます。
昨年2025年を足早に振り返るにあたり、最も印象的なイベントとして、皆さまのご記憶にも新しい通り、
4月から6ヶ月間に渡って開催された大阪・関西万博が挙げられると思います。開幕前は様々な意見や
声が聞かれたこの万博は、夏季の記録的な連日の猛暑にも拘わらず、2005年に開催された愛知万博
の22百万人を上回る25百万人を集客し、10月に成功裏に幕を閉じました。中でもフランスパビリオン
は会期中、連日の大盛況を博し、フランスが日本国内で、また国際的にも大きな興味と関心を集めて
いる魅力高い国であることを改めて証明したに留まらず、日仏両国の交流と友好が万博を通じて一層
深まったことは、当会議所にとって大きな喜びであり、今後の更なる発展に向けた確実な手応えも
感じております。
その一方、国内外を取り巻く環境に画期的な解決や改善は残念ながら殆ど見られず、勃発から間もなく
4年を迎えるロシア・ウクライナ戦争、依然混迷を極める中東情勢に加え、トランプ大統領が繰り出す
政策に翻弄される世界経済と、これに対抗して世界覇権を追求する中国の施策等、国際社会は引き
続き多くの課題に直面しています。
また、国内情勢に目を移すと、日本とフランスは近年、両国ともに内政の不安定という共通の課題を
抱えており、特にフランスは国内の政権運営面における厳しさが増してきています。本年6月には、
フランスのエビアンでG7サミットの開催が予定されており、国際舞台で大国の指導者としての存在感を
国内外に示すことが、マクロン大統領にとって残された数少ない政治的な切り札の一つであり、個人的
所感の域を出ませんが、議長国としてのフランスのリーダーシップに期待したいと思っています。
斯様な混沌とした国内外の状況下、当会議所は昨年も各種セミナー、例会、講演会、無料法律相談に
加え、会員親睦の各種イベント、地方視察と交流等、企業会員の皆さまに資するであろう有意義な活動
を積極的に企画、実行してきました。また当会議所の活動の一環として「地方との結びつき」「地方との
連携強化」を近年の注力分野に据えており、2022年のオクシタニー州視察に始まり、23年はアルザス、
24年はマルセイユとリヨンを視察。そして昨年は10月に会議所メンバー約30名でモンペリエを
訪問し、地元で活躍する日系企業2社の視察と活発な意見情報交換を行い、また11月はHauds de
France地域圏のCLUB JAPON、12月にはGrand Est地域圏における日系企業協議会に出席し、
各地の日仏双方の関係者との交流を深めてきました。本年も引き続き、地方との連携を注力分野に
位置付けし、更なるコミュニケーションの活発化に努めていきたいと考えております。
当会議所は過年度の活動において、滞在許可証の発行と更新、運転免許証の切り替え、各種商業
手続き等の簡素化と迅速化について、ビジネス・フランスを通じてフランス当局に対する改善要請を
行ってきましたが、昨年改めて、会議所加盟企業約200社を対象にビジネス環境整備に関する
アンケートを実施し、在仏日系企業がフランスでビジネスを展開する上で直面している各種規制と
規格面の課題整理を行いました。
日仏投資促進に関しては、ビジネス・フランス、在フランス日本国大使館、JETROパリ事務所とともに
毎年秋にパリで開催しているCLUB JAPONの機会を利用して各種情報の共有を行ってきており、
昨年も10月に同イベントを開催しました。
今後、日系企業のフランス進出の障壁になり兼ねない各種規制と規格面の課題について、上記
アンケートの結果を参照しつつ、ビジネス・フランスを窓口として議論を行っていく所存です。
本年も引き続き、会員の皆様、関係各所との連携を密に取り、会議所本来の役割である「会員利益」
「日仏交流」「会員親睦」の更なる実現のみならず、様々な課題の改善と解決に向け、一層力強く
取り組んでまいります。
本年も変わらぬ皆様のご支援とご協力を何卒宜しくお願い致します。
末筆となりますが、会員企業の皆様そしてご家族の皆さまの今年一年のご健康とご多幸を心よりお祈り
申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
令和八年(2026年)元旦
在仏日本商工会議所 会頭
速水 清彦
伊藤忠フランス社長