CCIJF – 在仏日本商工会議所

鈴木 秀生 駐フランス日本国特命全権大使

あけましておめでとうございます。まずは令和8年が在仏日本商工会議所、会員各社、社員及びご家族の皆様にとって素晴らしい一年となることをお祈り申し上げます。

令和7年は、地政学的競争が激化し、これまでの世界の経済秩序が大幅な見直しを迫られる一年でした。欧州でも日本でも、政府、企業ともに困難な交渉と厳しい選択を余儀なくされる一年となりました。これまで積み上げてきた多角的自由貿易体制が揺るがされ、世界経済の分断のリスクが高まっている状況にあるといえます。
同時に、昨年は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博に158の国・地域及び7の国際機関が参加、約2900万人が来場、世界中が新たな知恵とイノベーションを持ち寄り、次ぎに来る世界を構想し共創する一年でもありました。二刀流を復活し3年連続でのMVPを獲得した大谷翔平選手の活躍は日米を超えて世界を沸かせました。

困難を創意と希望で乗り越え、次のステージに進んでいく。今年は午年。障害物を華麗に乗り越えていく駿馬のごとく積極的に跳躍し、成果を上げていく年にしたいと思います。

この跳躍を実現するため、政府は昨年11月に発表された総合経済対策において、①生活の安全保障・物価高対策、②危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、③防衛力と外交力の強化、の3つの柱を打ち出しました。
②の危機管理投資・成長投資においては、特にAI・半導体、量子、フュージョン、創薬・先端医療、航空、宇宙、海洋開発、重要鉱物の安定供給、農林水産物・食品の輸出拡大などが重要項目として明記されています。これらの分野の多くは、既に当地において会員企業の皆様が手掛けておられている分野であり、日仏産業協力強化の潜在力の豊かなものです。
③の防衛力と外交力の強化においては防衛産業基盤強化が謳われていますが、これは緊迫化するウクライナ情勢、東アジア情勢に直面する日仏共通の課題であり、既に具体的なプロジェクトも進行中です。
またこれらの事項はいずれも2023年12月の日仏首脳会談で発出した「「特別なパートナーシップ」の下での日仏協力のロードマップ」でも確認され、進展を見ているものでもあります。

大使館としては、こうした会員企業はじめ日本企業の皆様の取り組みに伴走し、全面的にバックアップしていきます。そうすることで、政府の総合経済対策を着実に推進し、強い日本経済の実現に貢献してまいります。そのためにフランス政府当局並びに経済界と緊密に意見交換をし、協議を重ねてまいります。フランス内政の動向を注視し、ビジネス環境への影響について分析を密にし、皆様と共有してまいります。

日仏の経済関係を支えるのが、会員各社様をはじめとする日本企業の旺盛なフランスへの投資です。日本の投資はフランス各地に拡がっており、地域レベルでもフランスの関係者が日本とのさらなる連携に関心を有しています。大使館としても、中央政府のみならず地方自治体とも引き続き連携し、各地でのビジネス環境のさらなる改善に繋げてまいります。

日本経済だけが一人強くなるということはありません。フランスをはじめとするEU/欧州のパートナー国との相互理解、信頼、協力が大事です。フランスの方々一人一人が「日本」というオプションを積極的に選択していただくためにも相互の人的交流・文化交流は極めて重要です。これまで在仏日本商工会及び会員企業の皆様からいただいた多大なご支援に感謝申し上げます。本年はフランスがG7議長国を務める年でもあり、日仏を軸にG7の連携を確認する重要な機会になります。また、来年はパリの日本文化会館30周年、再来年は日仏交流170周年を祝う大きな節目です。引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げます。

以上申し上げたことは、在留邦人の皆様、会員各社はじめ日本企業の皆様が、安心して生活し、活躍できる環境が大前提であることは申し上げるまでもありません。安全情報の発信、領事出張サービス、日本人学校・補習授業校への関与・支援などを通じて大使館一同、全力で努めてまいります。これまでの皆様のご理解ご支援に感謝いたしますとともに、引き続きよろしくお願い申し上げます。

在仏日本商工会議所会員企業をはじめ、当地で活動する皆様のご健勝とますますのご発展を祈念し、新年のご挨拶といたします。

在フランス日本国大使館
特命全権大使 鈴木秀生