小売・流通:加藤 純/ONWARD LUXURY GROUP SARL

小売・流通

 

2020年ファッション業界の見通し

ONWARD LUXURY GROUP SARL 加藤 純

 

新年明けましておめでとうございます。

 

2019年のファッション業界においては、世界を代表するデザイナーであるカール・ラガーフェルドの逝去、米国のファッション小売業を代表するバーニーズニューヨークが連邦破産法11条を申請するといった、時代の移り変わりを体現するようなニュースがありました。また、M&Aのトピックとして、LVMHによる米ティファニー社の買収(11月)、日本においてはヤフーによるZOZOの買収(9月)といった大きなニュースが話題となりました。

 

2020年のファッション業界においては、昨年から急激に関心を高めた「サステナビリティ」(持続可能性)への取組が引き続き注目されるものと思われます。業界での大きな動きとして、マクロン大統領の依頼をきっかけに、GUCCI等のブランドを擁するケリングのピノー会長が2019年8月にビアリッツで開催されたG7サミットにおいて、ファッション業界が環境に与える影響を削減することを目的とした「ファッション協定(ファッションパクト)」を発表したことが挙げられます。ラグジュアリーブランドからスポーツウェアブランド、ファストファッションブランドまで業界を代表する多くの企業(2019年11月時点:56社約250ブランド)が本協定に署名し、今後、共通の目標をもって環境負担削減のために行動していくことを誓約しています。具体的な取組内容は各企業によって異なりますが、100%リサイクル可能な商品の開発やサプライチェーンの見直しによる二酸化炭素排出量の削減への取組等の活動が加速していくと思われます。

 

また、もう一つのキーワードとして、「D2C」(Direct to Consumer)が挙げられます。ファッション業界におけるEC化の動きはここ数年来のトレンドであることは周知の事実ですが、なかでも、企業・ブランドが自ら商品を企画・製造し、流通業者を介することなく、自社のECサイトにおいて、直接お客様に販売するビジネスモデルである「D2C」が注目を集めています。

「D2C」のビジネスモデルにおいては、中間流通のカット、また実店舗の運営コストの削減等により、ブランドは品質の良い商品を適正価格でお客様に提供することが可能となり、お客様にとってもメリットが生まれます。また、ブランドとしては、ビジョン、ストーリーをお客様に対して直接自社ECサイトを通して伝えることができるため、効果的にブランディングを進められ、より顧客の囲い込みができるといった利点があります。ECサイトならではの顧客データの収集・蓄積により、その後の商品戦略、マーケティング戦略をスピーディーに実行できることも強みです。

日本においては、オーダースーツのD2Cの販売ビジネスが注目されていますが、他のアイテムにおいても今後広がりを見せる可能性があると思われます。

 

 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

在仏日本商工会議所について

kaiin260 100

amehosu bannar260 100 03

kawaraban260 100

会員用ログイン

サイト内検索