建設・コンサルティング・メディアコンテンツ・サービス :阿部 泰三/読売新聞東京本社 広告局 パリ駐在事務所

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2020年新聞業界の見通し

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

いよいよ本年は東京オリンピック開催の年です。弊紙は、朝日新聞、毎日新聞、日経新聞とともにJOCオフィシャルパートナーとして、試合の模様を詳しく報道するほか、特集記事や日本人選手がメダルを獲得したときの号外の発行などを予定しています。また、広告的側面では、国内外の公式スポンサーによる新聞、号外への出稿が期待でき、一定程度の好況が予想されます。

 

しかし現在、新聞業界はメディアの急速なデジタル化により、ほとんどの国において発行部数と広告売上が減少傾向にあり、本年もこの流れは止まりません。これまで新聞広告収入を経営の柱にしてきた欧米の新聞社は、紙媒体からデジタル媒体にビジネスの軸を移し、また、デジタル広告においてはグーグル、フェイスブックなどの巨大プラットフォーマーが市場を独占しているため、依存度の高かった広告収入モデルから、安定的な収入が見込める電子版の購読収入(サブスクリプション)モデルへのシフトがトレンドになっています。ただ、電子版の市場(購読料と広告単価)は、新聞市場よりもはるかに小さく、電子版ビジネスに一気に移行するのはリスクを伴うため、各紙はIT企業やメディアコングロマリットらによる買収・合併などを通じ、経営上の損失を最小限に抑えながらデジタルにソフトランディングさせる方法を模索しています。

 

ここフランスでも同じように、本年は新聞社の発行部数、新聞広告収入の減少、電子版への移行が一層進むものと思われます。しかし、フランスの新聞社は政府による補助金を受けているうえ、ほとんどの新聞の発行部数は30万部以下と経営規模が比較的小さく、電子版ビジネスに緩やかに移行しやすい状況にあります。

 

一方、日本の新聞業界は世界的に見て独特です。数十万部の欧米各紙の発行部数に対し、800万部の読売新聞、600万部の朝日新聞、300万部の毎日新聞と規模が桁違いに大きく、この大部数が電子版へのシフトを難しくしています。欧米ではトレンドのサブスクリプションモデルは日本では古くから確立されて新聞社の収益の7~8割を占め、全国の宅配網も新聞事業においては大切な資産ですが、販売店や配達スタッフが不要のデジタル化においては利益相反の関係にあります。

 

各紙が新聞の購読・広告収入減を時代の流れとして受け入れ、電子版のコンテンツとビジネスを強化しても、既存収益のロスをカバーすることはできないため、新たな収益の柱が必要です。本年は、編集の信頼性を背景にしたストーリー性の高いコンテンツ広告、美術展やビジネスカンファレンスなどのイベント事業、宅配網や不動産を活用したインフラ事業など、これまでメインストリームではなかったビジネスの育成により注目する年になるでしょう。

 

読売新聞東京本社

広告局パリ駐在事務所

阿部 泰三

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