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ナントに新モニュメントの建設プロジェクト

ナント市内に新たなモニュメント「アオサギの木(Arbre aux Herons)」を建設するプロジェクトが端緒についた。キックスターターを通じたクラウドファンディングでは、予想以上の37万3000ユーロの資金が得られた。

「アオサギの木」は、全高35メートルの木の形をしたモニュメントで、幹は直径50メートル、20本ほどの枝が空中庭園を形作る。見学者は幹の内部に設置された階段を通じて上方に上り、縦横にめぐらされた空中の通路を散策できる。また、アオサギに乗って観覧車のように木を一回りできる。全体は1500トンを超える鋼材等により製造される。ナント市西部のロワール川右岸に位置する旧石切り場に設置される計画。

この計画は、ナント市に常駐するコンパニー・ラ・マシーヌが立案した。コンパニー・ラ・マシーヌは、機械仕掛けの巨大な象が町中を練り歩くアトラクションなどを提供。マリオネット技術を生かした独自の世界観で知られる。「アオサギの木」の建設費用は概算で3500万ユーロ程度とされ、ナント市は、その3分の1を民間資金で賄うことを条件として(残りの3分の1をナント都市圏が拠出し、3分の1を国・地域圏・EUなどの助成金で確保)、計画を大筋で承認。現在は設計を練り上げ、予算を明確に決めるための作業が進められており、年内にその終了を予定する。2023年か2024年の完成を目指している。

民間資金は1200万ユーロ程度を集める必要があり、クラウドで調達した40万ユーロ弱はごくわずかに過ぎないが、30ヵ国から5511人の拠出が得られ、計画を広く知らしめる役割を果たした。コンパニー・ラ・マシーヌは、企業からの寄付に主に期待しており、既に13件の約束(総額500万ユーロ弱)を確保。経済省からメセナ税制の適用を受けられる旨のお墨付きも取り付けた。クラウドファンディングも第2陣を近く実施する予定。

仏大手上場企業の配当金、4-6月期に3.1%増

ジャナス・ヘンダーソン(資産運用)が19日に発表した集計によると、世界の上場企業上位1200社が4-6月期に支払った配当金は合計で5138億ドルに上り、前年同期比で1.1%増加した。過去最高記録を更新した。ただ、前年同期には14.3%の大幅増を記録しており、それに比べると増加の勢いはかなり鈍った。ジャナス・ヘンダーソンは、2019年中に支払われる配当金の総額は1兆4300億ドルに上り、やはり過去最高記録を更新すると予想している。

欧州企業に限ると、4-6月期に支払われた配当金の額は前年同期比で5.3%減少した。欧州企業の配当金の推移はこの数年間に渡り、世界のほかの地域と比べて鈍く、これはユーロの価値が低めで推移していることに関係しているという。そうした中で、フランス企業は3.1%の増加を記録、同期の支払い配当金の金額は合計で510億ユーロに上った。この調査の対象企業のうち、4分の3は増配となっており、減配はEDF(仏電力)のみだった。パリ株式市場CAC40指数の構成企業では、2018年の配当性向が46%と高めを記録しており、トタル(石油)、BNPパリバ(銀行)、LVMH、エルメス、ケリング(いずれも高級ブランド)、ロレアル(化粧品)で高配当が目立つ。

マクロン大統領、ロシアのプーチン大統領を迎えて会談

マクロン大統領は19日、休暇先の南仏のブリガンソン要塞にロシアのプーチン大統領を迎えて会談した。ロシアとの関係改善に努める姿勢を示した。

マクロン大統領は今週末に、ビアリッツでG7首脳会議のホスト役を務める。ロシアが主要国サミットに不参加となって久しいが、マクロン大統領は、G7会議の直前にプーチン大統領を大統領別荘に迎える厚遇を示すことで、ロシアと欧州の間の関係改善に向けた積極姿勢をアピールした。

マクロン大統領はこの機会に、2020年5月にロシア政府が挙行するナチスドイツに対する戦勝75周年記念の式典に出席を約束。2014年にロシアがクリミア半島を併合して以来、ロシア主催の記念式典に欧米諸国の首脳は列席していないが、マクロン大統領はプーチン大統領の招待に応じて出席を約束した。マクロン大統領は同時に、ウクライナ和平の実現に向けて4ヵ国(フランス、ドイツ、ロシア、ウクライナ)首脳会議を数週間中に開くことを希望すると言明。プーチン大統領はこれに対して、「慎重に楽観的」であるとして、日程を調整すると答えた。

シリア問題や人権問題など、両国間の対立点については踏み込んだ協議はなされなかった。プーチン大統領は、記者団の質問に答えて、この数週間に反政府勢力のデモを厳しく取り締まった件について、フランスで発生した「黄色蛍光ベスト」の破壊行動のような事態を封じるのが狙いで、抗議行動が合法の枠内に留まるようにするのが目的だと説明した。

 

パリ解放博物館がリニューアル、ダンフェールロシュローに移転

「パリ解放博物館」が25日にリニューアルオープンする。ダンフェールロシュロー広場にあるゆかりの建物に移転の上で開館する。

「パリ解放」とは、ノルマンディ上陸作戦を経て連合軍が攻勢を強める中で、8月19日から25日まで行われた、レジスタンスの蜂起を経てパリ解放に至るまでの戦いを指す。「パリ解放博物館」は、モンパルナス駅舎裏に1994年にオープンし、ゆかりの品々などを展示していたが、入場者数が年間1万2000人前後と期待外れに終わっていたため、2015年に移転が決まり、2000万ユーロが投じられて新館が整備された。新館はダンフェールロシュロー広場に面した建物に入居。ここは、もとはパリ市の城壁を構成していた建物で、入市税の徴収などが行われていた場所だが、パリ市は第2次大戦前にここに有事の際の防空壕を整備。パリ解放の戦いを率いたリーダーの一人であるアンリ・タンギー(通称ロル)はここを作戦本部とした。新博物館では、旧来の展示品のほかに、当時のままに再現された作戦本部の見学ができる(18人以下のグループにてガイドに従って見学)。博物館は年間5万人超の入場者達成を目指す。

マクロン大統領、プロバンス上陸作戦の記念式典を挙行

マクロン大統領は15日、南仏サンラファエル市(バール県)にある戦没者墓地を訪問し、プロバンス上陸作戦75周年の記念式典に列席した。南仏のブレガンソン要塞(大統領別荘)で休暇中のマクロン大統領にとって、休暇明けの本格的な公務再開に向けたウォーミングアップとなった。大統領は26日には、大統領別荘にロシアのプーチン大統領を迎えて会談する。続いてビアリッツで開催のG7サミットでホスト役を務める。

プロバンス地方上陸作戦は、ノルマンディ上陸作戦から遅れて2ヵ月余り後に行われた。南仏地方のナチスドイツの掃討作戦の起点となり、アフリカ大陸経由で連合軍が上陸した。35万人の兵員が参加したが、アフリカの義勇軍が多数を占め、25万人のフランス軍兵士のうち、7割近くがアフリカ出身者だった。式典には、コートジボワールのワタラ大統領とギニアのコンデ大統領も列席。マクロン大統領は、フランスはアフリカに多くを負っていると述べ、全国の市長に対して、通りや広場の名前に、アフリカ義勇兵の戦没者の名前を採用するよう呼びかけた。

式典にはサルコジ元大統領も出席。大統領経験者は全員が招待されたが、出席したのはサルコジ元大統領のみだった。マクロン大統領は式典後に、アフリカ2ヵ国の大統領と私的な昼食会を開き、サルコジ元大統領もこれに同席した。両大統領の良好な関係を示す機会ともなった。

 

仏失業率、6月末に8.5%

14日発表のINSEE統計によると、フランスの失業率は6月末時点で8.5%となり、3ヵ月前から0.2ポイント低下した。1年前と比べると0.6ポイントの低下となり、経済危機の影響が本格化を始めた2009年初頭以来で最低の水準に下がった。

本土に限ると、失業者数は6月末時点で240万人となり、3ヵ月間で6万6000人減少した。失業率は0.2ポイント低下し、8.2%となった。1年前と比べると0.6ポイントの低下を記録した。すべての年齢層で失業率は低下したが、15-24才(失業率18.6%)で、3ヵ月間に0.6ポイントの低下を記録し、特に低下が目立った。1年前からでは1.5ポイントの低下となった。1年以上の長期失業者の数は90万人となり、長期失業者が労働力人口に占める割合は3.2%となり、3ヵ月前から0.1ポイント、1年前から0.4ポイント、それぞれ低下した。

ペニコー労相は失業率の低下について、現政権が進めた改革の成果によるものだと指摘。具体的に、労働法典の改正、見習い研修制度やトレーニング制度の改革を挙げ、企業が採用に躊躇しなくなったと述べた。政府はまた、先頃施行した失業保険制度の改革による雇用拡大の効果にも期待している。この改革では主に、受給資格を決める就労実績の基準が厳格化された。

 

軍隊省、太陽光発電に2000ヘクタールを提供へ

仏軍隊省はこのほど、300ヘクタール弱の用地を太陽光発電事業者に割り当てるための入札を開始した。9月末まで事業者を募集、選定された事業者と30年間の賃貸契約を結んで用地を提供する。

仏軍隊省は、政府が定めた太陽光発電振興計画に貢献する目的で、2022年までに2000ヘクタールの用地を提供する計画を立てている。この計画は1年前に発表され、これまでに100ヘクタール分の提供がなされたが、行政手続き上の困難もあり、本格的な実現が遅れていた。今回の入札では、オワーズ県クレイユの250ヘクタール分と、ほかに3ヵ所(アン県、ボークリューズ県、マンシュ県)分が提供される。

軍は全国に26万5000平方メートルの国有地を保有しているが、うち10万ヘクタールは緑地となっている。緑地の45%近くは保護地区に指定されており、軍は環境保護に知られざる役割を果たしている。軍はその中から、環境破壊を招かない形で地上設置用に利用できる用地2000ヘクタールを割り出し、活用に着手した。

再生可能エネルギーの業界団体SERは、2028年までに1万8000-2万7000ヘクタール分の整備が必要と試算している。政府が定めた計画によると、太陽光発電の容量は、現在の9GWが、2023年に20GW強に、2028年には40GWまで拡張される。

 

公務員部門改革法が公示に

公務員部門改革法が7日付の官報にて公示された。同法は去る7月24日に国会で最終的に可決され、憲法評議会による違憲審査を経て、その全体が合憲と認められた。公示はされたが、実際の施行には関連政令が出揃う必要があり、まだ数ヵ月間がかかると見られる。デュソ公務員閣外相は、9月5日に公務員部門労組と協議を開始し、施行令の準備に着手すると予告。同相は、大半の部分については2020年年頭の施行を目指すと説明している。

改革法は3つの主要な部分からなる。まず、労働法典改正により民間企業で導入された従業員代表機関の整理が公務員部門でも適用され、従来の複数機関をまとめた新機関が省庁ごとに設置される。地方自治体、公共病院部門でも同様の取り組みが行われる。また、契約職員(現在は100万人が公務員部門で就労)の採用を容易にするため、1年から6年の有期雇用契約「プロジェクト雇用契約」が新設される。その一方で、1年未満の短期雇用を対象にした手当を導入し、最大で法定最低賃金(SMIC)の2倍に上る報酬を確保する配慮がなされる。公務員から民間への出向を容易にする制度も整備される。最後に、民間部門に導入された「和議による雇用契約の集団的な打ち切り」を模した制度を導入し、適切な補償を与えつつ民間部門への転出を容易にする道筋を作り、弾力的な人材管理を行えるように改める。

 

仏貿易収支、1-6月期に健闘

7日発表の税関統計によると、6月の貿易赤字は52億ユーロを記録した。1-6月期の貿易赤字は269億ユーロとなり、赤字額は前年同期比で53億ユーロ縮小した。6月の輸出額は前月比で4.9%減を記録したものの、輸出額は前年同期比では146億ユーロ増を達成し、2011年以来の好調な数字を残した。これにより貿易赤字が縮小した。

世界経済の見通しが悪化する中で、フランスの貿易は比較的に好調を維持している。米国との貿易収支は2018年に黒字に転じ、2019年に入っても同じ傾向が続いた。米国経済が足元では好調で、航空機と製薬を中心として需要が拡大したのが大きい。中国経済も減速が目立つものの、フランスにとって第2の輸出先の地位を維持した。ここでも航空機と、そして高級品の輸出が好調だった。米中貿易摩擦の影響はむしろ、ここまでに限ればフランスに有利に働いているとも考えられる。化学、医薬品、ワイン・スピリッツ、革製品、宝飾品などは景気に左右されにくいという性質があり、こうした製品に強いフランスの輸出産業が抵抗力を示している。英国の欧州連合(EU)離脱も、離脱後の行く末を懸念して英国では在庫を構築する動きがあり、これも今のところはフランスの輸出を支えている。ただ、下半期にかけては懸念材料も多く、INSEEは、通年では外需のGDP成長率貢献度は0.1ポイントのマイナス貢献になると予想している。

 

Koovee、食べられるスプーンを開発

パリのスタートアップ企業Kooveeは食べられる食器を開発した。使い捨てプラスチック製品の代替品として売り込む。

同社はティフェーヌ・ゲルー氏(29)が起業。これまでにスプーンとフォークを開発した。65度のスープに6分間漬け込んでも崩れない耐性を実現。食事が終わった後はポリポリおいしく食べられる。

ゲルー氏は、フランスでは毎年47億本の使い捨てスプーンが消費されていると指摘。楽しい代替品が出現すれば切り替えが進むと考えたと説明する。同社は現在、パリ11区にある工房で1日6000本を生産。製品には3ヵ月の賞味期限が設定されている。価格は1本20-45ユーロセントと高めだが、原料の小麦粉、ナタネ油、塩は100%国産品を調達。製品開発は自己主張のない味から始めたが、顧客の要望もあり、現在はバニラ味やオレンジ味などの開発にも着手。ナイフの開発も進めている。

 

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