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マクロン大統領、解散決定の背景

マクロン大統領は9日、欧州議会選挙での敗北を受けて、下院を解散し、総選挙を行うと予告した。6月30日と7月7日という最短の日程での総選挙となる。

極右RNは30%を超える得票率を達成。対するマクロン大統領派は15%程度で、2倍を超える差が開いた。ただ、各党の得票率は、事前の世論調査並みの数字であり、十分に予想の範囲内だった。マクロン大統領は投票前には、20%を超える得票率を達成できるなどと話しており、それが本心からであるなら、選挙結果に失望して総選挙という大きな賭けに出たのかもしれない。

極右系の週刊紙JDDは投票前に、極右勝利でも政府は何事もなかったかのように政治を続けるだろう、などと論評していた。解散総選挙は極右RNが要求してきたものではあるが、当のRNの側でも、大統領の決定は予想外だった。とはいえ、ルモンド紙によると、解散構想は以前から検討されていたらしい。大統領府のスタッフ10人程度のチームが検討を進めてきたといい、大統領はこれを秘密にしてきた。総選挙で極右RNが過半数を握るのは十分に可能なシナリオではあるが、大統領は背水の陣で有権者の決起を促して、風向きを変えられると踏んだのかもしれない。また、解散総選挙を後押しした人物の中には、右派出身のダルマナン内相が含まれるという。RNが総選挙で勝利して、バルデラ党首を首相とする内閣が発足したとしても、その無能ぶりが国民の不興を買い、2027年の大統領選挙ではRNに失望した有権者が右派に戻ってくる、といった火遊びじみた計算があるとも考えられる。大統領は9日夜、最初の開票速報が発表された20時過ぎの時点で、アタル首相をはじめとする重要閣僚数人とブロンピベ下院議長らを集めて解散の決意を伝えたというが、特に首相とルメール経済相は寝耳に水だったといい、反対したが大統領は聞き入れなかったという。