CCIJF – 在仏日本商工会議所

第二十三回:花粉症のお話

4月に入ってすっかり春の陽気となりました。最近は晴れの日も多くて気持ちいいですね。

春といえば日本ではスギやヒノキなどによる花粉症で悩まされる季節です。鼻水、鼻づまり、喉や目のかゆみなど花粉症患者さんにとっては憂鬱な季節でもあります。私も日本ではスギ花粉症で春先になると目が痒くてたまりませんでした。ところがありがたいことに海外に住むようになってから一度も花粉症の症状が出ていません。毎日色々な患者さんにお話をうかがっていると、ほとんどの方は私と同じように日本での花粉症がうそのように楽になっているようです。一方で、花粉症の症状が海外に移住してすぐに出てきたとおっしゃる人や最初は大丈夫だったけど徐々に出てくるようになってきたとおっしゃる人もいます。

フランスにもやはり花粉症は存在しますが、主に原因となる植物が日本のそれと幾分異なっているようです。花粉症予報のウェブサイト(http://www.pollens.fr)があり、それによると多種多様な植物が原因となっていることがわかります。このサイトではフランスの地域別に現時点で飛んでいる花粉が種類ごとに示されていてなかなか面白いです。

ちなみに今日現在(4月24日)パリは真っ赤(アレルギーリスク極めて高い状態)になっています。
現在飛散中の花粉の種類としては多い順にBouleau (カバノキ 樺の木)、Frêne(トリネコ属)、Platane (プラタナス)、Charme(シデ)、Peuplier(ポプラ)、Saule (ヤナギ)、Chêne(オーク)、Graminees (イネ科)が飛散中だと示されています。 
また花粉の絶対量だけではなく大気汚染があると一層花粉症が出やすくなるそうです。

このサイトでは18種類の花粉についてそれぞれがいつごろ飛散のピークを迎えるかについての予想も書いてあります(les risques par pollen)。もし自分がどの花粉に反応するかを知っていれば対策もしやすくなるでしょう。治療の中心は抗ヒスタミン薬の内服です。花粉が飛び始める2週間前から飲みはじめると症状が出にくくなるという説もあります。薬の種類によって眠くりやすい、だるくなりやすいなどの副作用が強いものや、1日の飲む回数が若干異なるものもあります。症状に応じて目薬や点鼻薬を使うのもよいと思います。皆さまも上手に花粉症対策をしてさわやかな春を満喫してください。

参考までに先ほどのサイトに載っている植物の和名を書いておきます。(もし和訳に間違えがありましたら、何かの機会に教えてください。)正直私も植物に関してはあまり知識が豊富ではなく、和名を見てもどんな形をした木なのかわからないものの結構あります。どんな見た目の木なのか知るにはやはりフランス語のままGoogle画像検索をするのが一番いいと思います。 

Aulne         ハンノキ

Charme       シデ

Chêne        オーク)

Frêne       トリネコ属

Olivier      オリーブ

Platane    プラタナス

Tilleul          シナノキ

Armoise    ヨモギ

Oseille         スイバ

Plantain    オオバコ

Bouleau    カバノキ

Câataignier    クリ

Cyprès         イトスギ

Noisetier       ハシバミ

Peuplier         ポプラ

Saule            ヤナギ

Ambroisies   ブタクサ

Graminées      イネ科

Urticacées      イラクサ