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政府、社会保障会計予算法案を閣議決定

政府は24日、2022年社会保障会計予算法案を閣議決定した。新型コロナウイルス危機の余波もあり、同会計の赤字が中期的に続くことを確認する内容となった。

2021年の社会保障会計の赤字額は346億ユーロとなり、前年から41億ユーロ後退する見通しとなった。2020年には、新型コロナウイルス危機のために赤字が大幅に膨張したが、それに対して2021年の収支改善はごく小幅にとどまることになる。2022年の赤字額も216億ユーロとかなりの高水準になる。2025年の時点でも133億ユーロの赤字額と、大幅な赤字が持続する見通しになった。

2022年には、労災保険と家族手当公庫で黒字復帰を果たすが、健康保険公庫では197億ユーロの赤字と、大幅赤字が続く。老齢年金公庫も25億ユーロの赤字となる。また、1年前に新設の自立公庫も9億ユーロの赤字を記録する。

医薬品関連支出は2022年に差し引き後で10億ユーロの増加を前年比で記録する。12億ユーロの節減措置が盛り込まれる一方で、全額健保負担の医薬品の数を増やす(3億7000万ユーロの支出増)などの措置が導入される。衛生危機関連では49億ユーロの予算(検査が16億ユーロ、ワクチンが33億ユーロ)が計上された。医療関係者の賃金引き上げでは27億ユーロ(うち助産師向けは4100万ユーロ)など、予算増の項目も多い。社会保障会計の累積債務を引き受け、返済に当たる公庫CADESは2024年に解散される予定だったが、これが2033年まで継続されることが決まり、財源面では2024年から徴収金(現金給与総額を課税標準とする目的税)が軽減される予定だが、足元の債務増大でその展望が実現できるかどうか疑問も残る。ホームヘルパー等の雇用に係る税額控除制度の迅速な適用などの支援措置も盛り込まれた。