CCIJF – 在仏日本商工会議所

マクロン大統領、飲食店のチップ非課税を予告

マクロン大統領は27日、リヨン市で開催中の外食・宿泊・食品国際見本市SIRHAを訪問した機会に、カードにより支払われるチップを非課税とする方針を明らかにした。数ヵ月以内に実施するとした。

従来、チップは現金で支払われ、ほとんど申告はなされておらず、事実上非課税の扱いとなっている。しかし、新型コロナウイルス危機を契機に、カードやアプリでの支払いが増えたことで、チップを渡す習慣も後退した。危機を経て、外食業ではフロア係を確保するのが困難になっているが、チップの収入減少は業界の雇用誘致力にとっても打撃となっていた。カードによるチップの支払いの場合には、現状では自動的に収入として申告されるため、使用者にとっては社会保険料が発生し、従業員にとっては所得税の課税対象となるが、マクロン大統領は、チップについてこの自動的な申告の対象から除外すると約束した。このところ、政府が費用増の施策を相次いで発表していることについては、選挙目当ての予算のばらまきだとする批判の声も上がっているが、マクロン大統領は、現金からカードへのチップの移り変わりが生じていることに対応する措置であり、格別な国の負担の増加は生じないと主張している。

調査会社NPDグループによると、1-7月の仏外食市場は、危機前の2019年同期と比べて、売上高で45%、客足で39%の減少を記録している。ちなみに、2019年の業界売上高は570億ユーロに達していた。マクロン大統領の発表について、業界団体はこれを歓迎している。その一方で、同日には、会場で大統領に卵が投げつけられる場面もあった。卵は割れずに落下した。卵を投げつけた人物は即時に取り押さえられた。