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環境政党EELV、公認大統領候補にジャド欧州議員を指名

環境政党EELVは28日、公認の大統領候補を選ぶ公選の結果を発表した。ジャド欧州議員が僅差でエコノミストのルソー氏(女性)を破って公認指名を得た。

EELVの公選には12万2000人が登録した。9割近くが党員以外となっており、同党による過去の公選に比べて規模が大きく膨らんだ。今回の大統領選で、公選により候補者を決めるのはEELVのみとなる。第1回投票で勝ち残ったトップ2候補による決選投票は接戦となり、ジャド欧州議員が51.03%の得票率を達成、ルソー候補(48.97%)を破り指名を得た。わずかに2000票以内という僅差での勝利となった。

ジャド候補は、前回の大統領選挙でも、公選により党公認の指名を得たが、社会党のアモン候補を支持することを決めて出馬を断念したという経緯がある。今回の公選では、行動し、解決策を提案できる環境派として、幅広い勢力を結集する意欲を示し、現実的で建設的なエコロジーを唱導。対するルソー氏は、急進的なエコロジーを主張し、フェミニズムなど社会運動と連携する路線を打ち出した。選挙結果を見る限り、広い意味でEELVに近い公選における有権者層の支持は両氏の間でほぼ二分される格好になった。ルソー氏はジャド氏を支援し、選挙キャンペーンに協力する意志を表明したが、ジャド氏が今後、自陣営の結集を図るために、急進派に対する譲歩を迫られる場面が増えることも考えられる。

左派陣営の全体を見ると、今回の大統領選挙では候補者の乱立が目立つ。28日に発表の世論調査では、「不服従のフランス(LFI)」のメランション候補が支持率13%でトップ、社会党のイダルゴ・パリ市長が7%で続き、ジャド氏が6%でそのすぐあとを追っている。元社会党のモントブール氏は2%にとどまっている。穏健派のジャド氏がEELVの候補に選ばれたことは、有権者層が近いイダルゴ候補にとって痛手になると考えられる。