CCIJF – 在仏日本商工会議所

パリ中央郵便局の改装:ホテル「マダム・レーブ」がオープン

パリ1区の中央郵便局の改装に伴い、新たなホテル「マダム・レーブ」がオープンする。パリの著名レストラン「ル・コング」で成功を収めたレストラン経営者ローラン・タイエブ氏が手掛けた。

中央郵便局はかつては24時間営業の郵便局として知られた。建物は1888年に完成、郵便局と郵便仕分け所が入居していた。全体の改修のために閉鎖され、建物の一部は民間の開発に委ねられた。郵便局の再オープンを待たずに、新ホテルの「マダム・レーブ」が一足先にオープンする。

入口は簡素だが、中に入ると高さ8メートルの大ロビーがあるというストーリー性のある演出で、特別な空間のプロデュースを得意とするタイエブ氏らしさが目立つ。ロビーにはアールヌーボー風の調度を採用し、カフェ・レストランも入居している。ホテルは全82室(うちスイートが19)で、建物の4つの面のすべてに面して客室がある。付近にはサントゥスタシュ教会やブルスデュコメルスなどパリを代表する建物も多く、優れた眺望が楽しめる。料金は一泊450ユーロから1000ユーロまでと、超高級ホテルに比べると手頃な水準に設定した。ホテル内には展望レストラン「ル・プリュム」も入居する。一連の改装には数千万ユーロが投資された。

新型コロナウイルス危機で小休止していたホテルの新規オープンがここへ来て増えている。特にパリでは外国人観光客がまだ戻らず、需要が回復しない中だけに、競争は一段と厳しくなる。新規参入の「マダム・レーブ」はその特色を集客力につなげることができるかが勝負となる。