CCIJF – 在仏日本商工会議所

断熱効率が低い住宅の賃貸規制が施行に

断熱効率が低い住宅の賃貸規制が8月24日付で施行された。家賃の引き上げが禁止される。

この措置は、2021年8月の「気候・強靭性法」に盛り込まれる形で導入された。具体的には、住宅のエネルギー性能診断(DPE)により、下位のF(1平方メートル当たりの年間エネルギー消費量が331-450KWh)とG(450KWh超)に分類された物件について、家賃の年次改定を実施することが禁止される。次いで、2025年からは、最低のG分類の物件を賃貸することが禁止される。その後、2028年にはF分類の物件が、また2034年にはその上のE分類の物件を賃貸することが禁止され、断熱効率が悪い住宅のフェーズアウトが進められる。E分類までだと、国内の住宅の17%に相当する520万戸が対象になる。

DPEの基準は修正されたことから、賃貸住宅の所有者は、状況に応じて、2022年末日から2024年末日にかけて新たな診断を実施させることが義務付けられている。それが制限措置の根拠となる。ただ、賃貸禁止措置における借家人の権利は、禁止対象の物件の借家人が断熱リフォームを請求するという形で行使されることになるが、必ずしも借家人がそうした請求を行うとは限らず、断熱効率が低い住宅のフェーズアウトはさらに時間がかかることも予想される。