CCIJF – 在仏日本商工会議所

海運大手 CMA CGM、ボロレの物流事業買収を決定

仏海運大手 CMA CGM は9日、仏ボロレ・グループから物流事業「ボロレ・ロジ スティクス」を買収する合意を結んだ。企業価値を 50 億ユーロとして買収する。 2024 年初頭の買収完了を見込む。
CMA CGM は 4 月 18 日に、この買収に向けた独占交渉を開始していた。CMA CGM はコンテナ海運を主力事業とするが、新型コロナウイルス危機に伴う用船レート の急上昇を受けて、2021 年に 180 億ドル、2022 年にも 250 億ドルという記録的な 利益を達成しており、その一部を再投資して事業を拡大することを決めた。ロジ スティクス業を強化し、輸送のすべてのバリューチェーンを自らカバーできる体 制を整える。

ボロレ・ロジスティクスは、従業員数が 1 万 4000 人。世界に 350 ヵ所の事務所を 展開し、90 万平方メートルの倉庫を保有する。2022 年には、前年比 36%増の売上 高 71 億ユーロ(うち 26 億ユーロがアフリカ大陸)に対して、4 億 3700 万ユーロの 営業利益(71%増)を達成した。CMA CGM の物流部門は年商が 150 億ユーロ(グ ループ全体の売上高は 745 億ユーロ)に上るが、今回の買収を含めて、売上高は 240 億ユーロ近くと、物流部門でも世界大手に入る。 ボロレはこの売却により、メディア大手ビベンディを最大資産とするグループに 変貌する。売却で得た資金の使いどころが注目される。