CCIJF – 在仏日本商工会議所

仏小学生の読書力、低下に歯止め

IEA(国際教育到達度評価学会)が 5 年おきに実施する国際読書力調査(PIRLS) の結果が 16 日に発表された。フランスは、低下傾向に歯止めをかけることができ たが、依然として低い水準にとどまった。
PIRLS は参加国 57 ヵ国で行われ、小学 4 年生修了時の生徒 40 万人が対象となっ た。ただし、新型コロナウイルス危機の影響で、所定のタイミングで実施できた 国は 37 ヵ国にとどまった。フランスの得点は 514 点で、2016 年の前回調査時の 511 からわずかに上昇。今世紀に入って以降で初めて上昇に転じたものの、2001 年の 525 はもとより、2011 年の水準(520)も下回った。また、37 ヵ国中の順位は 23 位 で、トップのシンガポール(587)との差は大きい。欧州連合(EU)加盟国の平 均である 527 にも及ばなかった。
フランスは、前回並みの得点を維持できた 8 ヵ国のうちに入り、後退した国が 21 ヵ国と最も多い(上昇が 3 ヵ国)中で、成果を上げることができた。新型コロナウ イルス危機中も学校教育を継続する決定を下したことが奏功したと考えられる。 他方、読書力の向上は専ら女子生徒(得点は前回比 6 ポイント上昇の 521)に負っ ており、男子生徒は前回並みの 507 ポイントだった。女子の方が能力で勝っている のは世界的なな傾向であり、その格差は平均で 19 ポイントに上っている。フラン スでは、進んだ生徒と劣った生徒の間の格差も前回と同程度に大きく、全体の 6% が「劣っている」、22%が「低い」、40%が「中間」、27%が「高い」、5%が「進ん でいる」という分布だった。最低と最高の点数差は 91 ポイントで、これは 2 年分 の学習に相当する。