CCIJF – 在仏日本商工会議所

ワーナー・ミュージック、Believe買収を断念

米ワーナー・ミュージックは6日、仏Believe(レコード会社)の買収を断念すると発表した。報道によれば、ワーナーは、デューデリジェンスを経て、いくつかのリスクが特定されたため、買収の断念を決めたと通知したという。

Believeは、創業者のラドガイユリCEOが、主要株主であるファンド系の投資家(TCV、EQT X)と結んでTOBにより買収される計画だった。上場廃止を目指すTOBで、去る2月15日に発表された。これに対して、ワーナーは買収に名乗りを挙げて、正式な検討に着手した。これに対抗して、ファンド系の投資家らは、TOBの強行につながる決定を下したが、この決定はAMF(金融市場監督機関)により、3月22日に禁止されていた。Believeの少数株主は、ワーナーによる買収価格のつり上げに期待していたが、ワーナーは予想外の断念を決めた。

Believeは2021年に19.5ユーロの価格で上場されたが、その後に株価は低迷。CEOらによるTOBの提示額は15ユーロと低く、損を被ることになる株主らの不満は大きい。投資ファンドにしてみれば、割安で資産を取得する好機でもあり、こうした上場廃止のTOBの動きがほかの銘柄にも広がる可能性がある。テクノロジー分野でも、2021年に上場のOVHクラウド(データセンター)は、上場価格18.5ユーロに対して、現在の株価は11ユーロに低迷。Believeと同じような推移を辿っている。