Data4、データセンター廃熱で微細藻栽培
仏Data4は、パリ南郊マルクーシ市(エソンヌ県)にあるデータセンター内に、廃熱利用の微細藻栽培ユニットを設置した。20日に報道陣を招いて施設を公開した。
このプロジェクトは2024年3月に発表されていた。
それから1年あまりでプロトタイプが運用を開始した。
回収された二酸化炭素を投入して微細藻を育て、酸素を排出させる。
微細藻の生育には水温を20-30度の間に保つのが最適だが、そのためにデータセンターから出る廃熱を回収して利用する。
微細藻は通常の樹木(表面積を同じにして比較)に比べて10-50倍も光合成の効率が高く、回収二酸化炭素の用途として合理性が高い。
施設の屋上に微細藻の入ったチューブを配する形で光合成を行わせる。
微細藻は4-5日間で収穫が可能で、現在は1日につき1kgを生産できる。
微細藻は、医薬品・化粧品の原料として使用可能で、オメガ3やタンパク質が豊富であるため、家畜用飼料や食品の原料としても利用できる。バイオガス生成の原料という用途も考えられる。
これは、パリ・サクレー大学のイノベーション講座「Abiomas」のための実証プロジェクトで、オーストリアのBlue Planet Ecosystemsが技術を持ち寄った。
マルクーシのデータセンターは2006年に運用が開始され、近く出力が250MWに達する。
Data4は、将来的に、データセンター1ヵ所につき日量20kgの微細藻の生産を目標に掲げる。
これは1ヵ所につき年間13トンの二酸化炭素吸収量に相当する。
屋上や建物壁面などに設置できるため、他の土地利用を疎外しないという利点もあり、廃熱処理の問題を抱える産業部門企業への売り込みも期待できる。
