CCIJF – 在仏日本商工会議所

パリ市内に木造高層マンション、15階建て50メートル

パリ市内に木造高層マンションが完成した。6月18日に入居が開始した。

この建物は「Wood Up」と命名され、15階建てで全高50メートル。
13区の「ブリュヌゾー・ノール」再開発地区内に建設された。設計はLAN建築事務所が担当し、REIアビタ社が施工した。
400立方メートル近くのフランス産木材を建材とし、全面積は9000平方メートル、132戸の住宅が整備された。
建物はGecina(不動産開発)が取得し、スポーツジムやルーフトップなど商業施設も入居する。
木材は、樫材をメインに、クリスマスツリーで知られるヨーロッパトウヒ、さらにベイマツを使用。
いずれも国産(ノルマンディー、ジュラ、中央山地)の環境配慮ラベルを取得したものを用いた。
運搬は河川経由とし、この点でも環境配慮を徹底した。
その一方で、2021年にパリ市が木造建築について定めた消防基準をクリアするため、建物の完成は予定よりも遅くなった。
同地区内には続いて、学生寮が入居する木造ビル「コミューヌ」が完成する予定。
パリ18区ではちょうど、やはり木材を多用した複合施設「マルカデ・ベルベデール」(3万平方メートル強)がオープンしたばかりで、気候変動対策などを背景に、木材建築への関心は高まっている。
この建物は、低炭素不動産開発のWO2が手掛け、建築事務所のChartier-Dalixが設計した。