CCIJF – 在仏日本商工会議所

Xenothera、遺伝子組換えブタの飼育で臓器移植を準備

仏Xenothera(バイオテク)はこのほど、ナント拠点に報道陣を招き、遺伝子組換えブタの飼育施設を披露した。
将来的に臓器移植用にブタの臓器を生産する計画。
ブタの臓器移植では、欧州は米中などに比べて遅れている。
Xenotheraのような飼育施設は、欧州ではドイツとここの2ヵ所のみといい、追い上げのための足場となる。Xenotheraは700万ユーロを投資して2022年にこの施設を整備。
仏政府の公的支援も得た。200匹体制で始めたが、現在は500匹に増産し、将来的には需要に応じてその2倍に規模を拡大できるという。
飼育場は4000平方メートルで、これに300平方メートルの実験室が付帯している。
欧州では、ブタの臓器の人への移植はまだ法令が整備されておらず、同社は現在、がんや免疫疾患の治療薬候補の開発に取り組んでいる。
血清を抽出し、製剤は下請け企業に委託している。
遺伝子操作により拒否反応を抑制できるのが特徴で、これまで400人に投与されたが、不耐性の点では極めて良好な結果が得られている。
同社は2014年の発足以来で4700万ユーロを調達したが(うち1700万ユーロは公的資金)、2026年に臨床試験を継続するために5000万ユーロ近くの資金を確保する必要がある。
資金調達の環境は厳しくなっているが、現在複数の投資家・企業との間で協議を進めている。