CCIJF – 在仏日本商工会議所

クラブメッドのジスカールデスタン会長が辞任、親会社の復星と対立

仏クラブメッド(リゾート施設運営)のアンリ・ジスカールデスタン会長兼CEOは7月16日、退任すると発表した。親会社である中国企業の復星国際の意向による事実上の解任であることを本人が明らかにした。
アンリ・ジスカールデスタン氏は68歳。
1970年代に仏大統領を務めたジスカールデスタン氏(故人)の息子で、2002年にクラブメッドのトップとなった。
その後、同社は2015年に復星の傘下となり、以来、親会社との関係は常に良好とはいかなかったが、2024年には、ジスカールデスタン氏の右腕で副CEOを務めたボルフォウスキ氏が退任する事態に至り、緊張が高まった。この時は、ジスカールデスタン氏の留任と経営陣の刷新によりひとまず騒ぎは収まったが、ジスカールデスタン氏が最近に、パリ株式市場におけるクラブメッドの上場復帰構想を公言し、これに反対する復星の間で再び緊張が高まった。
ジスカールデスタン氏は、この問題を巡り退任を迫られたと認めた上で、自らはしばらく会長にとどまり、次期経営者との引継ぎを円滑に行うことを提案したが、復星はこれを認めなかったと言明。
さらに、クラブメッドの株主構成を多様化し、国際的なガバナンスを採用し、フランスに決定機関を置くことの重要性を復星は理解していないと批判した。
復星の側では、後任選びの作業を引き続き行うとし、フランス企業としてのクラブメッドの維持と、長期的な発展の支援は今後とも自らの任ずるところだとするコメントを発表した。