CCIJF – 在仏日本商工会議所

政府、衣類リサイクル部門向け補助金を緊急増額

政府は7月18日、衣類の分別回収・リサイクル部門向けの補助金増額を決定した。
業界による抗議行動を受けて緊急援助に応じた。
衣類の分別回収に取り組む団体ルルレーは先に、コストをカバーできない厳しい状況を訴えて、衣類販売大手のデカトロン及びキアビの店舗駐車場に古着をばらまく抗議行動を展開。
政府もこれに対応して緊急援助を決めた。
2025年には、前年比で1500万ユーロ増の4900万ユーロの支給を決定。
22万トンの処理を前提とすると、これは1トン当たりで223ユーロに相当する。
2026年にも5700万ユーロへ増額すると予告。
これは、25万トンの処理を前提とすると、1トン当たりで228ユーロに相当する。
ファーストファッションの台頭により、衣類の数量が増え、それに伴い、衣類廃棄物の量も増大しているが、量の増大や競争力のある競合の出現により、衣類リユースが値崩れを起こしている。
主な販路である第三国市場での値崩れは、フランスの衣類リサイクル部門にとって打撃となっている。
フランスの衣類リサイクルは、「汚染者負担」の原則により、製造者の拠出により運営される「エコオルガニズム」と呼ばれる組織であるリファッション(Refashion)が統括しているが、政府は同組織の業務仕様書を新たな状況に即して改正する方向で協議を進めており、それまでのつなぎの措置として、今回の補助金緊急増額を決めた。