CCIJF – 在仏日本商工会議所

アマゾンの衛星ブロードバンド「カイパー」、仏当局から許可を取得

アマゾンは衛星ブロードバンド「カイパー」のサービスをフランスで年内に開始する。
当局機関のARCEPから周波数使用の許可を取得した。
カイパーは、アマゾンが配備を進める低軌道衛星コンステレーションで、3232基を配置する計画だが、今のところ54基の配置が完了している。
高度は600kmで、競合するスターリンクに比べると高め。
スターリンクは4年前にフランスでもサービスを開始し、国内の衛星ブロードバンドのユーザー数15万のうち半数以上を占めているとみられる。
アマゾンは遅れて参入する。
個人向けに100Mbps(簡易端末)と400Mbps(要アンテナ設置)の2種の契約を、法人向けには1Gbpsの契約1種を提供する。
ARCEPは、国内に2ヵ所の地上局の開設を許可した上で、今回、複数の周波数帯の本土全域における使用を10年期限で許可した。
電磁波干渉が生じた場合に、直ちに使用を停止するとの条件を設定した上て許可した。
ARCEPの審査において、競合サービスのワンウェブを傘下に持つ仏ユーテルサットは、アマゾンの参入を強く警戒し、電磁波干渉を起こさない周波数使用の約束をアマゾンが守れるエビデンスがないと反対意見を表明した。
他方、カイパー向けの打ち上げ需要が見込めるアリアンスペースは参入を歓迎している。
カイパー向け投資は2022-29年に103億ユーロを予定するが、うち28億ユーロが欧州に落ちるという。