Plastic Vortex、河川の浮遊廃棄物回収ソリューションを開発
トゥールーズ市に本拠を置く仏ベンチャー企業Plastic Vortexは、河川に浮遊する廃棄物を回収する装置を開発し、この夏にはトゥールーズ上流のブラニャック市内のガロンヌ川で試験導入に着手した。
この装置は、最大全長300メートルの浮体式の堤防と、その前方の水面下(40cm)に設置されるろ過装置、地上に設置される回収ユニットからなる。
堤防は、一方の岸の方に浮遊廃棄物を呼び込むよう、川の流れに対して斜めに設置される。
水面下に設置されるろ過装置は、水の流れを受け入れて、1mmを超える大きさの各種廃棄物(吸い殻、プラスチックボトル、カン、食品容器包装等)を捉える。
廃棄物は地上にある回収ユニットまでコンベアで自動的に運ばれる。同社の調査によると、この方式で浮遊廃棄物を8割まで回収することが可能だという。
同社は2017年に団体組織として発足し、2024年に法人化された。
BPIフランス(公的投資銀行)と地元のオクシタニー地域圏などから支援を得ている。
今回の試験導入はトゥールーズ都市圏の協力を得て実現。
結果が良好なら、都市圏は本格導入に着手する予定で、全国の他の都市における採用の展望も開ける。同社は、役務契約の形でユニットを提供することなどを想定している。
31ヵ所の設置で浮遊廃棄物の回収率を70%とすると年間175トンを超えるプラスチック廃棄物の回収が可能になる(ある調査によると、フランスで発生する海洋プラスチック廃棄物は年間500トン)と試算している。
同社は50万ユーロを今秋に調達する予定で、ユニット量産に向けて工業部門の提携先も探している。
