INAのバレ所長、コカイン問題で辞任
映像アーカイブを保有・運用する公的機関INAのローラン・バレ所長が8月29日に辞任した。
コカイン問題で司法当局から追及を受けており、引責辞任した。
バレ所長は去る8月に逮捕された。
パリ市内の自宅に600ユーロ相当のコカインを配達させたところを検挙された。
所長はその直後に停職処分となり、司法当局の処罰を待っていた。
所長は、職員宛てのメールにおいて、辞任の原因はすべて自分にあるとして謝罪し、司法当局による6ヵ月の受療命令に服するため、辞任することを決めたと説明した。
所長のコカイン消費は過去にも所内などで噂になっていたという。
バレ所長は2015年に就任。
昨春の時点で、3期目となる5年間の新たな任期にダティ文化相により再任されたばかりだった。
なお、前任者のサール所長は使い込み疑惑などで辞任に追い込まれた経緯があり、何かと騒ぎの多いポストではある。
INAは職員数が約900人。
主に国家予算により運営されており(2024年の予算は1億ユーロ強)、バレ所長はデジタル時代におけるアーカイブの新たな利用と収益化の取り組みなどで成果を挙げていた。
折しも、公共放送部門の改革プラン(INAも含めたテレビ・ラジオ局などを持株会社の下に統合する)が進行中という難しい時期にも当たり、所長の辞任が改革に影を落とす可能性もある。
後任としてはアニェス・ショボーCEOが臨時所長に就任済み。
