カナルプリュス、UGCへの出資で独占交渉を開始
仏カナルプリュス(有料テレビ)はこのほど、仏映画会社UGCの株式34%の取得に向けて独占交渉を開始したと発表した。取得金額は公表されていない。
株主の承認を条件に、2028年以降に経営権を取得することを可能にするオプションも設定されるという。
UGCは、映画館経営、コンテンツ制作、映画配給の3つの事業を展開。
映画館経営では、国内に50ヵ所程度を展開し、入場者数やスクリーン数により業界2位から3位というポジションにつけている。
コンテンツ制作では、映画のほかに人気ドラマシリーズ「HPI(邦題:IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント)」も手掛けており、ヒット作の制作で定評がある。
カナルプリュスは、右翼系の大物実業家バンサン・ボロレ氏の実質的な支配下にあり、最近にロンドン株式市場にて上場された。
カナルプリュスはテレビ局として国内のコンテンツ制作に投資する義務があり、自前の制作会社スタジオカナルも所有している。
UGCとの資本提携は垂直統合型の取引となり、フランス国内に限れば最強のアクターが出現する。
折しも、メディア界への進出では後発のCMA CGM(海運)が映画会社のパテに出資を決めたばかりのタイミングで、今回の出資計画の発表はなされた。
