CCIJF – 在仏日本商工会議所

2025年の仏経済成長率予測、0.8%へ上方修正

INSEEは11日、2025年経済成長率予測を上方修正した。
従来予測より0.2ポイント高い0.8%と予測した。この予測値は、仏政府が昨春に採用した数値(0.7%)よりもわずかに高い。仏経済が懸念されたよりは堅調に推移しているとの判断を示した。
経済成長率(前の期比)は、4-6月期に0.3%まで上昇したが、INSEEは、7-9月期に同じく0.3%、10-12月期には0.2%と予想した。農業、観光業、不動産、航空宇宙の4部門が抵抗力を発揮していると指摘した。
ただ、ユーロ圏全体の成長率が1.4%に上る見通しであるのと比べると、フランスの景気の足取りは鈍い。
また、2025年末時点の生産水準が2026年末まで変わらなかったと仮定した場合の2026年通年成長率は0.4%となり、政府が予算法案策定において前提とする予定の1.2%を達成するためには、2026年中に、全四半期で0.3%の成長率を達成することが必要になる。
2025年の経済成長の推進力は在庫変動(0.9ポイント分)に由来する。
外需は0.5ポイントのマイナス貢献となる。内需はぐずつき気味で、個人消費支出は0.5%の増加にとどまる見通し。雇用情勢は今のところ安定しているが、国民の間では失業への懸念が広がっている。先行き懸念を背景に、貯蓄性向は18.9%と45年来で最も高い水準になっており、消費拡大の展望は立っていない。