BNPパリバの株価急落、スーダン事件で賠償金の米裁判所命令が材料に
仏大手銀行BNPパリバの株価が10月20日に急落した。午前中に一時10%を超える下落を記録し、終値も7.73%安となった。
ニューヨーク連邦裁判所がスーダン問題で2100万ユーロの損害賠償金の支払いを同行に命じる判決を下したことが材料となった。
BNPパリバは、1990年代から2000年代にかけて、当時のスーダン軍事政権に対して米国が適用していた経済制裁に違反する取引を継続していた疑いで、米司法当局から追及を受けた。
この問題では2014年に、BNPパリバが89億ドルという巨額の罰金の支払いに応じることで、刑事訴追が打ち切られている。
今回、スーダン出身の3人(うち2人は米国籍を取得)が損害賠償を請求する民事訴訟を起こし、裁判所は訴えを認める形で、1人当たり700万ドル程度の損害賠償金を支払うよう、BNPパリバに命じた。
これが呼び水となり、同様の訴訟が立て込むとすると、BNPパリバが負担すべき額は膨らむことになる。合計で5億ドル近くの支払いが必要になるとの試算もあり、これは2025年の利益見込み額の5%に相当する。
BNPパリバは判決を不服として控訴すると予告し、防戦の構えを見せている。
