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極右の小グループの「全国地図」、リベラシオン紙が報道

左派系日刊紙リベラシオンは10月21日付で、全国の極右グループをリストアップした独自調査の結果を報道した。
同紙は3年前から毎年リストを作成して公表している。
当局機関は極右勢力の過激化を警戒し、「大手」グループに解散命令を出す対応をこのところ続けている。
パリでは「ズアーブ(Zouaves)」が2022年に、GUDが2024年に解散処分を受けた。
しかし、それで構成員が活動をやめるわけではなく、小口のグループに分散化し、実態がかえってつかみにくくなる状況が生じている。
団体を設立するのは容易だが、逆に解散命令にはそれなりの手続きがかかることから、首を切られても再生するヒュドラのような組織のあり方を活動家らは狙っているのだという。
リベラシオン紙は、極右勢力を「ネオナチ・ネオファシスト」、「アイデンティティ・至上主義」、「ウルトラナショナリスト」、「王党派」に分けて、70程度のグループをリストアップしている。
「王党派」はさすがに多くないが、カトリック原理主義は「アイデンティティ・至上主義」の中に分類され、全国的にも広がりがみられる。
パリ首都圏のネオナチ系極右では「ユサール(Hussards)」というグループが、解散された組織の残党の合流を得て暴力的な活動を展開している。
活動の方向性は、政治活動を優先するものから、武闘派まで様々だが、小口のグループへの分散化は表と裏の使い分けにも重宝に使われており、グループ間のつながりも形成されているという。
左派が得意としてきたデモなど大衆運動の組織に乗り出すグループもある。