CCIJF – 在仏日本商工会議所

オレンジ、スペイン合弁の完全子会社化で合意

仏通信大手オレンジは10月31日、スペイン合弁マスオレンジを完全子会社化すると発表した。英国籍の投資会社Lorcaから50%株式を取得する拘束力のない同意を取り付けた。42億5000万ユーロの現金での買収を約束した。オレンジは今後、2025年末までに拘束力のある正式合意を得て、2026年6月末までに買収を完了させる方針。買収には関係当局による許可取得も必要となる。
オレンジは、スペイン事業を現地の携帯大手マスモビルと統合することを2022年に決定。統合後に折半出資子会社のマスオレンジを発足させた。欧州委員会による競争問題の審査が長引いたが、欧州委は2024年2月に、一部の携帯インフラを同業Digi(ルーマニア籍)に譲渡することなどを条件に、合併を許可していた。
マスオレンジはスペインの携帯市場最大手。携帯と固定を合算すると、加入者数は3700万人を超えている。マスオレンジの完全子会社化により、オレンジにとってスペイン市場はフランスに次ぐ第2の市場となる。オレンジは、スペインを重要な成長市場と見据えて、この買収により事業の強化を図る。