SHEINのBHV進出で大騒ぎ
パリの老舗百貨店BHVの店舗内に、中国のファーストファッション大手SHEINが11月5日に出店する。
黒船扱いのSHEINを受け入れたBHVには各方面から厳しい批判の声が上がっている。
BHVは、かつては百貨店大手ギャラリー・ラファイエットが所有していたが、若手実業家フレデリック・メルラン氏が率いるSGM社が商号と営業権を買い取り、傘下に収めている。
SGMはこのほかに、ギャラリー・ラファイエットの地方店舗のうち、7店舗(アンジェ、ディジョン、グルノーブル、ルマン、リモージュ、オルレアン、ランス)の営業権を買い取っており、これら地方店舗にもSHEINを入居させる計画を発表していたが、これにはイメージ低下を恐れるギャラリー・ラファイエットが反対。
4日には、ギャラリー・ラファイエットとSGMの間の提携契約が解消され、SGMは「ギャラリー・ラファイエット」を名乗れなくなった。
SGMは地方店舗を「BHV」名義に改めて事業を継続するという。
これと関連して、SHEINのマーケットプレイス上で、幼児性愛的なラブドールが販売されていた件が物議を醸している。
経済省下の消費者保護機関DGCCRFはこの件を司法当局に通報。
同様の製品は、SHEINのほかに、中国大手のアリエクスプレスとTEMUでも販売されていた。
DGCCRFの提訴は、「未成年者のポルノ的性質の画像又は表象の電子通信ネットワークを通じた不特定多数への流布」の疑いに関するもので、刑法第227-23条はその最高刑を、禁固7年及び10万ユーロの罰金と定めている。
SHEINはこの件で、問題の製品を全面的に排除すると共に、ラブドールの類の取り扱いを全世界対象で完全に廃止すると予告。
当局の捜査等に全面的に協力するとも発表して、バッシング逃れの道を探っている。
