CCIJF – 在仏日本商工会議所

昆虫ベンチャーYnsect、会社清算決まる

エブリー商事裁判所は12月1日、昆虫ベンチャーYnsectの会社清算を決定した。
従業員47人が職を失った。
Ynsectは、昆虫培養の専門企業の草分けとして活躍し、一時は脚光を浴びていた。
量産によりコストを下げ、製品を動物用飼料などとして供給するというビジネスモデルだったが、需要が期待したほど伸びず、資金繰りが行き詰まった。
同社は2024年9月に民事再生法の適用を申請。
次いで2025年3月には会社更生法の適用下に入ったが、出資者らは1000万ユーロの援助に応じて立て直しの猶予を与えていた。
同社は社長の交替を経て、200人を数えた従業員数のうち137人を削減。
外国事業は処分(オランダ工場を閉鎖、米国子会社は譲渡)し、ジュラ県ドール市にあるパイロット工場は旧従業員に譲渡していた。
昨秋には860万ユーロの追加支援も得たが、それでも再建に向けた道筋は立たず、清算に追い込まれた。
北仏アミアン市(ソム県)の近郊プーランビル市に建設された量産工場は閉鎖される。
大規模な投資により整備されたが、需要は期待外れに終わり、稼働率は低いままでの終幕となった。
補助金により工場を支援したオードフランス地域圏など地元の自治体は落胆している。
昆虫ベンチャーはいずれも逆風で、同業Agroutrisは去る9月に同業コンパニーデザンセクトにより買収され、Innovafeedは米国のパイロット工場プロジェクトの中断を決めている。